化粧がしたい!
体調を崩して、一日仕事を休んだ。休んだ日は、ずっと横たわって、うつらうつらしていた。ほとんど24時間寝て、仕事に行く身支度をしなければならない時間がやってきてしまう。
風呂に入り、髪と体を洗って、着替えるだけで精一杯。化粧をする時間の余裕がなかった。病み上がりで、普段より、動作がのろいのだ。
でも、今はマスクがあるので、すっぴんでもへっちゃら、と思っていた。
昼頃、会社のお手洗いで、鏡に映った自分の顔に愕然とする。顔色が悪い。もちろん、体調が悪くて血色が悪かったこともある。きれいじゃない、というより病人っぽい。まあ、昨日は立派な病人だったのだけれど。
もっと、自分の世話をしてやらないと可哀想だ、と思ってしまった。中年の我が身を労わるような感覚に陥る。
美しい人とは、自分の顔をよく見ている人だと言われる。確かにそうだ。自分の顔を観察して、手入れをする。自分の顔を見慣れている人ほど、自分の顔にどのような対処をすればいいのかも、わかる。ニキビやできものに気が付かずに生きている人と、そうでない人は、健康に対する考えた方にも差が出てくるのだろう。
自撮りの習慣も悪くないらしい。大事なのは、自分の顔の特徴を把握すること。把握していれば、他者への提示、見せ方がわかるからだ、と耳にしたことがある。自分の顔に見慣れておくと写真に撮られたときに、自分自身に違和感を覚えなくなる。セルフイメージと現実の自分が合致する、ということなのだろう。
というわけで、むくむくとスキンケア欲求と化粧欲がわいてきた。「きれいな自分でいたい」「もてたい!」というよりは、病人っぽさや不健康な感じから脱したい、というレベルなのだが、これも生きる意欲、という感じがする。
ただ、新しいものは買わない。今あるものをきちんと使い切ってから、何を買うかを考えたい。毎日使っていれば、すぐになくなるのに、なくならないのは、化粧もスキンケアも疎かにしてしまうからなのだ。
スキンケア商品なんかは使い切れないことも多い。トライアルセットだと全部使い切り、3か月ぐらいで捨てられるので、ちょうどよい気がする。(トライアルセットは10日とか14日分の想定だと思うのだが、サボるので、結局3か月ぐらいもつ)
先日、開封していないアイライナーを見つけた。おそらく、マスク生活だからアイメイクに力を入れようと思って買ったのだが、それすら、すっかり忘れて放置していた。
義務感や誰かに強制される化粧は、大嫌いだ。「女はきれいでいることも仕事のうち」なんて言われたら、相手を殴って豚箱に入ることも辞さない、なんて表現は大袈裟すぎるが、それぐらいの気持ちになる。
行動が変容し、考え方が変化する、というのは、基本的によいことだと思っている。(続けられるかどうかは、また別の話)