#映画感想文009『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)
映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(原題:Little Women)』(2019)を映画館で観てきた。
監督・脚本はグレタ・ガーウィグ、出演はシアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、ティモシー・シャラメ、メリル・ストリープ。
2019年製作、135分、アメリカ映画。
ジョー(シアーシャ・ローナン)が走る姿はかっこいいし、ローリー(ティモシー・シャラメ)の優男感はたまらないものがある。
『若草物語』と作家であるジョーの語りが入れ子構造になっているのが、映画的で楽しい。衣装も見事である。
ただ、揺さぶられたかと言われたら、そこまでではなかったと答える。
古典作品におけるフェミニズム的な視点を今日的な観点から見るのは重要なのだけれど、新鮮さがなかった。なぜ、自分がそう感じたのか、まだ理由がわからない。何かの焼き直し、と感じたわけでもない。
原作という制約がある中で、爆発を感じさせる作品と、その中で何とかやり繰りしている作品の二つがあるとすれば、ガーウィグ監督の『若草物語』は後者であるように思えた。
もちろん、よい映画であることは間違いなのだけれど、何かが足りない。それは私に何かが足りないのか、何かを見落としているのか、こちらに原因があるような気もする。快哉を叫ぶ、という感じには全然ならない。何かが腑に落ちない。
ひっかかりがある。気持ち悪くはないのだけれど、消化不良を抱えている。もう少し時間が経過して、再度鑑賞すれば、その正体がわかるかもしれない。
新しい解釈が何であるのかが、はっきりわからなかった。だから、不完全燃焼感があるのだろうな、と思う。
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