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映画『007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)の感想

『007』の最新作で、ダニエル・クレイグの最後のボンドが見られる『No Time to Die(死んでいる暇はない)』を映画館で観てきた。

監督は日系のキャリー・フクナガだからなのか、薄気味悪い能面、枯山水、畳の部屋などが登場するが、それほど主張するわけでなく、さらりと描かれる。

敵が製造しているのは細菌兵器で、DNAごとに選別して殺すことができてしまう。いろいろ、今日的な議題が詰まっていたりもする。

実は、『007』を最初から最後まで集中して観たのは、はじめてだった。

ジェームズ・ボンドは、怪我もしないし、死なないけれど、襲い掛かってくる敵は結構、簡単に死んでくれる。

ああ、これは日本のチャンバラ時代劇と同じなのだと気が付いた。ボンドが持っているのは銃やマシンガンだが、刀と同じ役割なのだ。

ストーリーがシリアスに展開し、人間模様が描かれ、ドンパチ(荒唐無稽)の繰り返しで、まさにエンターテイメントであった。

ダニエル・クレイグは53歳、ヒロイン役のレア・セドゥは36歳、17歳差というのはいただけないが、ダニエル・クレイグだから許される、という気もした。全場面で超かっこいいのだから。

そして、ラシャーナ・リンチが演じる後任の007のノーミは、とてもチャーミングで、それも楽しかった。(次のボンドがどうなるのか知らないけれど、女性でもいいではないか)

ちなみに、劇中の畳は、西日暮里の森田畳店のものだそうです。

何も考えずに、アクションとダニエル・クレイグを堪能すればよいと思う。

しかし、映画は3時間ぐらいあるので、お手洗いには気を付けよう。

ヒロインのマドレーヌが泣きながら「もっと、時間がほしいの」という場面で、これ以上の「more time」があったら、困るぜ。最後まで見届けたい、という気持ちと、早くトイレに行きたい、という気持ちとのせめぎあいで、終盤は集中力が落ちてしまった。

この映画は、2時間じゃないの、3時間なの。くれぐれもお気をつけて。





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