マネージメントをしない管理職の怪

退職した理由は複合的であるのだが、正社員であるはずの管理職の段取りが悪く、契約社員のタスク管理、労務管理をしない、というのが最も大きな理由である。

もちろん、時給で働くのも嫌だった。でも、それより、仕事の全容がいつまで経っても明らかにされず、上司の対応がその場しのぎで、場当たり的で精神的に耐えられなかった。

以下、問題点を列挙する。

・労務管理を契約社員にさせないでほしい。シフトの調整を契約社員間でやらされ、あたかも自主性を尊重し、自由な職場感が演出されていたが、あんたが面倒くさがってやるべきことをやっていないだけ

・部下のスケジュールや動きを把握していないのでサポート、ケアがない

・仕事を丸投げする。仕事の進め方が行き当たりばったり。進捗状況を報告しても無反応

・部下の仕事量を把握していない。1日拘束されるが2時間もあれば終わる仕事ばかり。暇過ぎて、憂鬱。高校生のように内職に精を出し、資格試験の勉強をして見事に合格してしまう(結果的にはよかったのだ)

・業務マニュアルがゼロ、指針が示されない。職場の理念や目標がない。見ればわかると昔の資料の束が渡される。チェック項目や見るべきポイントが示されず、指示がない

・上司自身、考える仕事と、考えなくていいルーティンで進められる仕事の区別ができていない。仕事を早めに終わらせるという概念がない

・考えるべきところも省エネで済ませようとして失敗している。疑問を投げると「あなた以外の人は知っていることだから、考えなくてよい」との返答。案の定、顧客からクレームが入り、慌てて対応を考えるという体たらく。ルーティンにすべきところと、徐々に変化させるべき仕事がわかっていないのは致命的

・ぎりぎりまでやらないし、平気で締め切りをぶっちぎる。ぶっちぎっても、顧客が悪かった、契約社員が不慣れだと言い訳をして、適当な謝罪で事なきを得る。わたしが3か月前に書類を作り終えていたのに、それを放置して、年末に狼狽している姿を見て本当にうんざりした

・メールのレスポンスが異常に遅い。あとで問題になると嫌なので、このように進め、この書類で問題ないか、という事前の確認だけで1週間以上かかる。ざっと目を通して、イエスかノーを言えばいいだけなのに。そのあいだ、わたしは手持ち無沙汰でただの電話番となる

・要領と段取りが悪いだけなのに、忙しいオーラを出しており、質問がしにくい

・取引先に対してわたしからは答えられないので上司に返答を依頼した。にも関わらず、2週間放置。しびれを切らした先方から催促の連絡が来てしまう。仕事に対する姿勢がいい加減

・退職を申し出たあと、送別会を兼ねた忘年会をしようと誘われた。断るのも悪いので参加すると、その居酒屋は休業中。誘った人が行く店について調べてもおらず、予約もしていないって社会人としてあり得るだろうか。すごく失礼。他人の時間を何だと思っているのだろう。結局、開いている店に入る

・もう一人の上司は退職を申し出たあと、メールも無視。対面でも無視。あのね、管理職はどんなにムカつく部下にも対応するのが仕事なの。契約社員を無視するなんてパワハラで訴えられてしまうよ。このあたりの常識のなさも、耐えがたいものがあった

・責任感がある風で、まったく責任感のない管理職とは仕事をしたくない

なんと、できない上司が二人もいた。その二人とも、喉元過ぎれば熱さを忘れるタイプで、管理職の仕事が何であるかがわかっていなかった。そのうえ、過去のデータもまったく整理ができていなかったし、ファイルそのものが一か所に保存できておらず、その会社の共有サーバーは、ごみ屋敷のようであった。でも、そのことをまったく問題だと思っていないし、自分たちは一生懸命仕事をしていると主張していた。一生懸命じゃなくていいから、合理的に効率的に仕事してくれよ、というわたしの本音である。でも、彼らは自分たちが効率の悪い仕事をしていることにまったく無自覚であった。

仕事はとりあえずやって70%で仕上げて、修正をして100%にする方が早い。彼らはだらしがないので、いつまでもやらず、悲惨な成果物を出してくる。

上司たちの仕事の仕方は、夏休みの宿題を新学期初日に「宿題を家に忘れました」と言って、新学期になってから、徹夜で終わらせるような、しかも嘘も方便で適当にごまかすので、本当に嫌だった。二人とも同じような気質なので、お互いを批判することもないようだった。

わたしは先回りして、つまらないルーティンは速攻で終わらせ、考えることが必要な仕事を後回しにして、上席と調整、会議などをしながら、行程表を作り、同時に業務マニュアルも作り、職場のメンバーに共有する。そこまでやってもスムーズにいかなかったり、サボる人は出てくるので、進捗管理やマニュアルのブラッシュアップをする必要が出てくる。仕事の指示やタスク管理は、必ずメールなどで文面に残るようにして、口頭で伝えるときは、A4一枚にまとめた簡易マニュアルを読み合わせる形にしていた。仕事に不慣れな人はタスクを読み飛ばしたりするが、「マニュアルのここに書いてあるよ」と言えば、相手もすぐに納得してくれる。この職場はすべてが口伝で、言った側が言ったことも忘れてしまうので、ある意味、チョロかったが、これって仕事なの? と何度となく思った。

二人の上司は薄氷を踏むように仕事を進め、振り返りも反省もなく、毎日が過ぎ去る。いつか、わたしのミスとして大きな災厄がふりかかって来るのではないかと思うと、空恐ろしかった。

そして、今回の職場では頭を使う場面がなく、自分の頭がどんどん悪くなっていくような気がした。上司が頭を使う仕事とそうでない仕事の区別ができていないので、そうなるのは当然の帰結である。周囲から「あなたは優秀!」と言われたりもしたが、この職場のこの仕事量でわたしの優秀さが発揮できているわけがなかろう、とも思っていた。

退職を申し出たら、正社員にならないかと言われたが、「あんたらの下でこれ以上働きたくない」という本音をぐっと我慢した。

この記事は、覚え書きでもある。この職場で感じたフラストレーションの経験を忘れないようにしたい。自分が管理職になる機会があればこの轍は踏みたくない。

あー、本当に辞めてよかった!

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