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雨宮処凛(2015)『仔猫の肉球』の感想

雨宮処凛の『仔猫の肉球』を読んだ。2015年4月に小学館から出版されたエッセイ集である。2008年から新潟日報で連載されていたものである。

雨宮処凛は傷つきやすいからこそ、優しくて、気遣いの人で、太っ腹であると思う。その印象は、彼女を知った15年ぐらい前と、そう大きくは変わらない。

実を言うと、私は今、猫を欲望している。猫と暮らしたいと切に願っている。それがあり、この本を手に取った。そして、まったく期待通りのことが書かれているではないか。

 その姿は、私には衝撃だった。「ただ生きてる」。このことをこんなにも謳歌している命が存在するということ。猫は人間のように生きる意味など問わない。そんなことに躓いて無駄な時間を過ごすより、日当たりのいい場所を探して昼寝することのほうがずっと重要なのだ。そんな二匹と暮らしているうちに、私自身も「生きる意味」だとかをはじめとしたいろんなことがどうでもよくなってきた
雨宮処凛(2015)『仔猫の肉球』p.11

もちろん、命には責任が伴う。お金もかかるだろう。

日々のエサ、病気やけがの治療もあるから健康診断や保険も必要となってくるし、ペット可の賃貸物件だと家賃も高くなる。ハードルは高い。

行きつけの猫カフェを見つけ、推し猫を見つければいいのかもしれない、とも思う。

うーん、悩みは尽きない。

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読書感想文

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