見出し画像

「カスハラ」を作った人は天才

カスタマーハラスメントが、カスタマーによるハラスメントではなく、カスのような人間によるハラスメントであることはみんな気付いていると思う。とはいえ、それを言ったらおじゃんになるので、みな言わないようにしているのだろう。

カスタマーハラスメント、カスハラというネーミングをした人のセンスはすごい。天才だと思う。

カスハラはクズのような人間によるハラスメントでもあるので、クズハラでもある。

コールセンターなどでカスタマーハラスメントをするのは多くは中高年男性で、被害にあうのは女性である。

わたしはコールセンターや店頭接客の仕事をしたことがあるので実感としてわかる。粘着質にこちらをなじったり、怒鳴ったり、「殺すぞ」と脅してきたりする。わたしが働いていたコールセンターの顧客は高所得層しかいなかったのだが、高所得者だからといって民度が高いわけでも、人間性が優れているわけでもない。お客様はどこまでも増長する。

わたしが一時間ぐらい粘着クレーマーに絡まれ、怒鳴られたことを同僚男性にこぼすと、彼はこともなげにこう言った。「ぼくはこの仕事、二十年やっているけれど、怒鳴られたことは一度もないですね。やっぱり、声で判断しているんでしょうね」と。

それを聞いて、わたしは驚いた。男性が低い声で話すだけで、男性は男性に敬意を払う。女性の身分はどこまでも低いのだと絶望的な気分になった。もちろん、同僚男性は二十年のベテランだったので、要領がよく、テクニックもあったのだと思う。しかしながら、わたしはそのコールセンターでトップの成績を出したりもしたのだが、カスのようなカスタマーを避けることはできなかった。電話に出れば出るほど、カスにも当たる。

東京都が「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を防ぐための条例制定を目指していることは誠に喜ばしい。

これまでは金を払っていれば、ある程度の狼藉が許されてきた。これからは、そういう人たちは追い出され、居場所を失うのだと思われる。労働者にとっては間違いなく朗報だと思う。

あと、コールセンターはボイスチェンジャーで、全員、おじさんの声で応対すれば、万事、解決するような気もする。



この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,014件

チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!