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映画『レッドタートル ある島の物語』(2016)の感想

映画『レッドタートル ある島の物語』を観た。監督はオランダ人のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットで、製作はスタジオジブリである。アーティスティック・プロデューサーとして高畑勲が参加している。

ちなみに監督は2000年製作の『岸辺のふたり Father and Daughter』で短編アニメでアカデミー賞を獲っている。

ずっと見ようと思いつつ、台詞がない映画なので敬遠していたのだが、最初から最後まで見て、とても穏やかな気持ちになった。

主人公は男性で、おそらく船が難破し、無人島にたどり着く。筏を作り、無人島脱出を試みるのだが、赤い亀に邪魔をされてしまう。男性は赤い亀に復讐を試みて…、というところから物語が展開していく。

この物語は寓話でもあるのだろうし、メタファーでもあるし、無人島での孤独に苦しんだ男性の夢(妄想)であった可能性も否定はできない。

アニメーションがなめらかで、線がきれいで、色彩も鮮やかだ。この映画は、ただただアニメーションを楽しむためだけに作られている。

浦島太郎とは逆で、本作では亀が島で人間の時間を過ごし、海に帰っていく。

風で揺れる竹林、アザラシの死体に群がる虫の動き、走る赤ん坊など、すべてアニメとしての喜びがあった。4匹の蟹は、ジブリ的なキャラクターで何とも可愛らしかった。

スクリーンで観られなかったことが惜しまれる映画だった。

チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!