海の魔女

宵闇に映る、月明かりには
海の魔女が光を灯しましょう
揺蕩たゆたう魚達も、私を避けて
綴る言葉も拙いまま、生きる日々

御伽噺おとぎばなしをしよう
夢を追いかける愚かな、人魚姫
雪の死骸に埋もれながら
低音が響く、ピアノに隠れていた...

涙が、水中に落ちる度
深海の胎動へと、身を沈めて
懐かしい話を聞いたわ
暗闇に溶け馴染む、魔女の呟き


水面へ輝く、月夜の熱は
終わりの始まり、そして生命が奏でる奇跡
泡あぶくを乗せて、寂しがり屋の人魚姫少女へ
伝えられたら、良いのかな...

御伽噺おとぎばなしをしよう
夢に捨てられた、可哀想な人魚姫
白骨の魚が、貴女の為と
光に祈りを捧げているわ…

冷たい水滴が覆った世界
誰も守れぬまま、死に絶えていく魔法
たった一つ、心を変える恋すら
淡い波に攫われてしまった。

枯れた花を埋める、海の底で魔法を紡いで
私を忘れた魚達は泳ぐ、暗い水中で今日も
誰かの帰りを待っているわ
泡沫に熔けた、魔法の薬を求めて...

Ps.Mei.