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10人前の親子丼と味噌汁と満腹感

ふと、親子丼が食べたくなった。
白米と出汁がたっぷりでふわふわのあの食べ物が
私は大好き。

そこで、5-6人のつもりで参加者を募り、
スナック平林をオープンさせることにした。
当日18:00を予約締め切りにしたのだが、
最終的には10人前のオーダーが入った。

18:00に仕事を定時で終え、
前日には鶏胸肉を1kg買い込んでいたのだが、
到底それでは足りなかったので、急足でスーパーに行き、
もう1kgを仕入れてさらには
追加のおかずであるポテサラの材料を買い込んだ。

19:00過ぎ、家に到着するや否や大急ぎで仕込みスタート。
スナック平林は基本的に厨房に立つのは私だけ。
この日も例外でなく、手伝おうかと声をかけてくれるメンバーを
丁重に断り、食材に向き合う。
私は食材を切り刻み、火を通し、味をつけ、盛り付けることが
ストレス発散になるので、誰にも邪魔をしてほしくないひとときなのだ。
誰かと料理するのも好きなんだけどね。

そして次々とおつまみをテーブルに送り出す。
ほうれん草のおひたし、長芋のステーキ、
鶏皮とピーマンとキャベツの炒め物、ポテサラ、
品数で勝負に出た。
日本人はもちろん、シェアメイトのスペイン人、フランス人、アメリカ人も参加してくれたので、お口に合うか、、、と不安だったが、
そんな心配をする傍らでおいしーの一言が聞こえたので、安心して親子丼に取り掛かる。

卵10個、鶏1kg(結局買わなくてよかった)、玉ねぎ5個
卵は溶いて調味料と合わせ、
鶏は一口サイズに切り、
玉ねぎはあまり薄くなりすぎない程度にスライスする。
この時点ですでに20時半、
食べ盛りの男子たちはもちろんお腹を空かせた小鳥のように次の皿を待っている。
一人前ずつクラシックに親子丼を作ってもよかったのだが、
なんせ時間がないから、シェアハウスの中にある一番大きなフライパンで
一気に調理をする。
余談だが、人生で初めて親子丼を作った。

一気に炒めながら卵をゆっくり入れて、少々強めの火加減で火を通していく。
ふわふわの感触は残しておきたかったので、ある程度で火を止めて余熱で最後まで調理をした。

その傍らで作ったのは味噌汁。
何を入れたか少々定かではないし覚えてもないが、
これもまたシェアハウスでTOP3に入る大きさの鍋で調理。
豚汁と並んで私の味噌汁はシェアハウス内ではかなり人気で、
いつも作るたびに必ず食べてくれる人がいる。
元彼の癖で私は醤油を入れるのだが、多分それが引き金になっている。

なんとか大きなフライパンでの親子丼を成功させ、
各々でよそって食べてもらった。

調理をし終えた時点で私はすでにお腹いっぱいなので、
一番少なく盛って、あとはみんなに食べてもらった。
そう。料理するとお腹がいっぱいになってしまうのだ。
頭を使って体を動かして、本当はお腹が空いているはずなのに、
心が満たされているから、私はほんの少し味見ができればいい。
あとはキザな感じになってしまうが、みんなが美味しそうに食べて、
楽しそうに笑ってくれるだけでいい。

21:00やっと全員がテーブルに揃う。

今までで食べたどの親子丼よりもきっと味は濃かっただろう。
ちょっと分量を間違えていたのだ。
でも、みんなあっという間に完食して、
私に口々に感謝の言葉を伝えてくれた。
自己肯定感が上がる。

スナック平林の真骨頂の味噌汁も大人気だった。

その日に入居したメンバーも参加してくれたから、
みんなで簡単に自己紹介をしながら、最高のアイスブレイクの時間を過ごした。

そのあとはどう過ごしたか忘れてしまった。
多分、くだらない話をしながら、各々過ごして、片付けて、
もう一回リビングでぐだぐだしていたはずなのだが、
10人前を作り切ったという達成感でかなり長い時間、満たされていた。

みんな、ありがとう。

私の趣味に付き合ってもらっているこの時間が、
私のシェアハウスで過ごす時間で、TOP3に入るくらい好き。


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