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【ボドゲ説明書読み】ファクトリー・マネージャー 完全日本語版

アナログゲームマガジン」外の記事です。
過去に読んだ説明書について、当時のメモ書きを元にしています。


●ファクトリー・マネージャー 完全日本語版

2010年のゲームの説明書です。プレー済です。
悪い意味で思い出深い説明書のため、取り上げています。

【どんなゲーム?】

プレイヤーはそれぞれ自分の工場をもち、機械を買い、人を増やし、ながら工場を運営していくことになる。機械が増えれば電力が増えるうえに、電気は徐々に値上がりしていくため、いかに効率良く工場を運営していくかがキモとなる。プレイの基本は簡単、時間もあまりかからないが、一手一手が重要となる充実感のあるゲームだ。

上記Amazonリンクより

パッと見  ★★★☆☆
・緑が基調の整った見た目です。
・A4サイズの大きな紙面で、段組み(縦にレイアウトを割ること)がされていません。そのため、1行が長くなっています。文字が小さめであるため、70文字ある行もあり、読みづらいです。

文字の読みやすさ  ★★☆☆☆
・前述の通り、1行が長い
・文字が小さめ
・1段落が長い。11行ある段落も
・段落間の空白行がない

デザインの見やすさ  ★★★★☆
見出しや枠入りの文字が読みやすく、レイアウトにメリハリがあります。

ルールの不足がないか  ★★★☆☆
本記事冒頭のエラッタはけっこう重大です。説明書に書き込みました。
 
わかりやすい表現・構成か ★★☆☆☆ 
・労働者コマ周りのルール記載が整理されていない。詳しくは後述。正しく遊べなかったため、自分で補足メモを作りました。
・例が一つもありません。そのため、わかりにくい処理の部分について、読み手の誤解の訂正、疑問の解消がされないままとなってしまう。

作者近影イケイケ度 ★★★★☆ 

【総合評価】 ★★☆☆☆
正しいルールで遊びづらいはずです。

【面白い点】

・説明書冒頭の内容物一覧は、内容物だけが書かれています。同様に、ゲーム準備の項では準備についてだけ書かれています。

別紙のB4?サイズの早見表に、ボードと各場所の見方や意味合いが書かれています。説明書には「初回プレーでは早見表をよく見て、配置やシステムを勉強してね」と。
そのため、冒頭での情報量が適切です。

・説明書の基本カラーが緑(当然といえば当然)
・デザイナーのフリーゼ氏の顔写真入り(髪色は緑、これも当然)
・同じ内容の段落が2連続で書かれている部分があります。すごい誤字です。

【気になった点】

・自分も間違えたし、ちらほら見かけるプレー間違いである、「市場の売れ残ったタイルをボードに戻す」処理について。何故間違えるのかというと、説明書でそれについて書かれているのが「季節労働者の雇用」という、別の内容の見出しではじまる文章の中なのです。

かつ、その文章の最後の行で、強調表示もなく、雇用についての記述と空白行をはさむこともなく書かれているため、読み逃しやすい、と推測します。

・労働者コマの扱いについて記載が不足しているため、適切にラウンドを繰り返すことが難しくなっています。ルール間違い、確認のためのゲーム中断が起こりやすいでしょう。

このゲーム、労働者コマが色々な用途で使われます。
以下は、説明書で書かれている順番と内容です。
丸数字は、実際にコマを使うものです。

フェイズ1
①手番順決めの競り
・ボードの脇にある「手持ちの労働者コマ(以下、『手持ち』)」を使う。
・競り落とした後、コマを手番順タイルに乗せる。
・社員食堂に配置しているもの、競りに使ったものは「手持ち」とは見なされなくなる。
・コマを使い切ることはできない。必ず手元には1個残す。

フェイズ2(市場タイルの準備)
・「手持ち」の数ぶん、タイルを補充する。

フェイズ3 (メインの手番)
②工場タイルの購入または廃棄
・廃棄したタイルにコマを乗せる(使う個数は書かれていないが、1タイル1個)。
・手番終了時に「手持ち」になる。

③一時的に使える「季節労働者コマ」の購入
この「季節労働者コマ」は次ラウンドの②まで使うことができる。

フェイズ4
④コマ+季節コマをボードの脇に集め、「手持ち」に戻す

⑤工場の機械を動かすため、必要数を社員食堂へ配置する

⑥配置されなかったコマは、次のラウンドに使えます。

次のような問題があると考えます。

①自分の持っている労働者コマが、タイミングごとに、いくつ使えるのか分かりにくい。

②これらの情報は書かれている場所が分散されていて、かつ他のルールと一緒に書かれているため、探しにくい。

③表などで情報がまとめられていない。

④フェイズ終了時、ラウンド終了時などでの「ワーカーを戻す」処理があまり書かれていない。書かれていても、戻すタイミングの行動の箇所ではなく、他の説明のついでにされている。

前述した通り、例も全くありません。そのため、総じて、ワーカー関係の流れが脳裏に浮かばないのです。

今後プレーする自分のためにも、まとめてみました。
すると、さらに疑問が浮かび、BGGのフォーラムを巡回することになりました。

最下部のURLはこちらです。
「常に」1個余らせておくわけではないので、もう矛盾しています。

【2024/4/28補記】BGGを再確認
「「工場の隣に常に 1 人の作業員を配置しておく必要がある」については、フェーズ 3 で少なくとも 1 つのアクション (工場を改善する) を常に実行できるようにします。」とのことです。

また、「ゲーム全体中、5 つのラウンドの終了時にも、利用可能なワーカーが 1 人必要です。」ともあります。
フェイズ3で一旦「手持ち」を使い切っても良いはずです。フェイズ4でいくつか手持ちに戻るので、その中から利用可能なワーカーを1つ残せば良いのでしょう。

問題をメタる

・自然と頭の中でイメージができなくても、サマリーがあれば良かった
・そもそも情報が時系列に整理されていない
・必要な情報が探しにくい
・読み手に解読・解釈する時間が必要な時点で問題

最後に

・良いゲームです。正しいルールで、是非遊んでください。
・レイアウト含めて原文の問題のはずです。

以上です。『アナログゲームマガジン』のネタになりそうな濃度ですが……個人noteで良いです。


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