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ルールブックの初心=基本の構造とは :ゲームのルールの伝言ゲーム

本記事は『アナログゲームマガジン』内で連載している、アナログゲームのルールブックの表現について語る、『ゲームのルールの伝言ゲーム』の第2回です。

第1回はこちら。

はじめに

2ヶ月でルールブックを100作品ぶん読みました。
なので読むのは一区切りつけて記事を書きます。

色々具体的に書きたい内容はあるのですが、今回が実質、連載の初回です。
基本的なことから行ってみましょう。

ルールブックを書く上での参考リンク、「刈谷式」

基本、ということで今回参考にするのは、
ゲームマーケット(年数回開催される、大規模なアナログゲームイベント)のカタログに定期的に載っている記事、「刈谷式ボードゲームのルールブックの書き方」(以下、「刈谷式」)です。

最近、ありがたい事に、note内のご本人のブログで刈谷式について掲載されています。無料で読めます。

素敵な連載なので、自分の無料記事である内に紹介したいと思います。

ルールブックに書くべき内容とは

こちらによると、ボードゲームのルールブックに書く内容や順番はおおむね下記の通りです。

①ゲームのタイトル
②プレイ人数、プレイ時間、対象年齢
③背景ストーリー(必要に応じて)
④内容物
⑤ゲームの概要
⑥ゲームの準備
⑦ゲームの進行
⑧ゲームの終了
⑨勝敗の判定
⑩オプションルールなど(必要に応じて)
⑪Q&Aなど(必要に応じて)
⑫クレジット


……とは言ったものの、この2か月読んだ限り、どのルールブックも、こういった順番・構成は上のように書かれていることがほとんどです。
ゲームマーケットのカタログを通じて、刈谷式が周知されているのかもしれません。

基本は抑えられている、その上で自分の思うところを書いていきます。
今回は語るに短い①~④のみです。

①ゲームのタイトル

本のタイトル同様、深い話題なので下手に言及できません。

一言述べると、エゴサーチしたいなら検索しやすいタイトル、ルビ(ふりがな)を振る必要のない読みやすいタイトルが良いでしょう。

②プレイ人数、プレイ時間、対象年齢

商業ゲームに似せてか、この3点セットがアイコン化されて記載される事が多くなりました。
凝ってるアイコンも見られます、素敵です。

ただし、例えば下の画像のような例だと……?

画像1


(※サンプルとして自作)

本当にそのアイコンと数字表記で、アナログゲーム初心者さんに伝わるのか?という点は気をつけた方が良いと思います。
国内共通の規格アイコンではないのです。

③背景ストーリー(必要に応じて)

同人(個人制作)ゲームは総じて、テーマ性が商業ゲームよりも強めです。

時事ネタ、労働問題、著作権スレスレのパロディ、可愛い動物、など……国産ゲームの猫は可愛い。

私個人はテーマやコンポーネント(内容物)を決め手にゲームを買わない主義ですが、少数派だと思います。
是非、ストーリーやテーマで読者を惹きつけましょう。

ただし、テーマ性が強くなればなるほど、中身がガチゲーであっても対象であるガチゲーマーの目に留まりにくくなる弊害があると思っています。

④内容物

通称「コンポーネント」。実物の画像データを入れて紹介していることが多いです。製作者の苦労がしのばれます。

A 内容物の説明

内容物の名前は、言わば読者が最初に出会う専門用語です。○○カード、▲▲トークン、□□ボード……
なので、読者がつまづかないよう、丁寧に語って接するべきポイントです。

・内容物の全てについて書かれているか

・内容物以外でゲームに必要なものはないか(例)筆記用具、得点チップ

・カードに書かれている数字やアイコン、テキストが何かの解説(簡単に)

・内容物をプレイヤーに説明しやすくするためにも、内容物の名前にルビが必要ないかを考える

・カードが2種類以上ある場合は区別の仕方

・裏面の柄がカードによってバラバラならば、どちらが表か裏か

B 内容物の数(物理的な意味)

また、同人であっても、商業ゲームであっても、箱の中に全ての内容物が揃って入っていない事があります。箱詰めはおおむね手作業でしょうからね。

ゲームをルール通り楽しむためにも、箱を開けたらまずは内容物の欠品がないかチェックをする人もいます。

そこで必要な情報が、内容物の「数」です。
カード枚数が、トークンの個数が書いてないこと、たまにあるんです。

C 内容物の数(ゲーム的な意味)

ゲーム的な意味とは何でしょうか。

例えば、至る所で売っているトランプ。
その内容物に

カード 54枚

とだけ書かれていたら、果たしてトランプを知らない人に説明しやすいでしょうか。

ここは、「カード 54枚(2~10、J・Q・K・A 各1枚×4種類+ジョーカー2枚)」というような表記が欲しいところです。
(表記方法は諸説あります)

また、トランプでは同じカードは1枚ずつしかありませんが、ゲームによっては「1」のカードが3枚ずつ、「2」は2枚、とバラつきがあるものもあります。そういった情報も、ゲームを伝えるのに大事なことがあります。

色と数字しか描かれていないなど、カードの情報量がシンプルなゲームほど、カードの内訳・数字がいくつからいくつまであるのかを把握したくなりますし、時に場に出ているカードを数えて(カウンティングして)遊びたくなるとも思っています。

そういう真剣めなゲームにしたいか、という視点で考えてみるといいかもしれません。

おわりに

内容物とは何か、も充分深いテーマでした。
次回からは有料になりますが、見出しだけは無料だと思います。
より穿(うが)った事を書いていく気です、乞うご期待ください。

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