備忘録7.ゲームに対しての過剰な情熱

私も夫も、もともとは好きなゲームなどがきっかけで意気投合したところもあり、結婚して割とすぐに、家の中はゲームに適した環境に変化していきました。驚くほど大きなテレビに、一人1台ずつのパソコン、画面は2台並べて、、、という感じで仕事が終わればゲームやテレビを一緒に楽しむ毎日でした。

ゲームに対しての私と違う面と言えば、私は楽しめれば良いというタイプで、彼は基本的に完璧なものを求めます。特にランキングの出るようなものに対しての執着はすごいもので。曰く、何にでもそうというわけではなく、自分が上に立てると確信をもってプレイできるものに対して特に起きるものでした。

備忘録2.違和感はゲーセンでにもあるように、自分の思い通りのプレイができない時には机を殴り、奇声を上げ、時には自分の体を痛めつけ始めます。その声は静かな住宅街に間違いなく響いていたでしょう。

楽しい時は楽しい。けれど、奇声タイムが始まるともう手の付けようがない。できるだけ穏やかに伝えても、夜だから外に響くよと繰り返し言っても、言えば言うほどにヒートアップしてゆきます。自分の下手くそが悪い!と自分の手を叩きつけては叫び、しまいには自分の頭から身体からそこかしこを殴りつける。その姿はまごうことなきドラミングでした。中に動物が入っているような動きだな、と疲れた頭でボーっと眺めていた記憶がうっすらと残っています。

いつの頃からか、たしなめようとする私に対しての口撃も始まり、「てめぇがいるからうまくいかないんだよ!どっか行ってろ!」「いるだけでむかつくんだよ!!」「気配がするだけで集中できない」「気が利かねえ奴だな」「この屑が」など、今まで人から浴びせられた事のないような言葉が毎回飛んできました。私も決して気の弱い方ではないので、あまりにも理不尽を感じるときには応戦するものの、火と火をぶつけ合う行為は沈静化などするはずもなくうず高く炎を巻いて広がりました。そんな日もあれば、怒りが収まるまで私が外に出てゆき、静かに帰ってくる日もありました。

その性質は最後まで変わることはなく、彼の機嫌が悪くなりそうな日は自ら外に出たり、別の部屋で違うことをしたり、奇声が聞こえてきたら耳をふさいでただただ時間が過ぎるのを待ったり。思いつく限りの事はしていたように思います。

奇跡的に機嫌が直ることもあり、そういう時は自分で調整することができた、と報告しにきます。大丈夫でしょう?と聞かれても、反射的に身を固まらせてしまうようになった私にとっては、しんどいものでした。

ああ、そろそろまずそうだな、退避しようかな、とわかってくる自分が悲しかった。真冬であっても、コート一枚と財布だけを持って、公園で時間をつぶしている記憶が何度もありました。公園に猫がいることがあるので、それが小さな楽しみでもありました。

義実家に行くと、義母がよく「そういう声を出すのをやめなさい。頭のおかしな人に見えるでしょう!」と叱っている姿も何度も見た記憶があるので、きっともっと昔からそうだったのだなと。

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