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「事業者の運営実績を活かした円滑な運営及び保育の実施」への反証 ~児童アンケート編~

※この記事は民営化の怪しい成果の続きです。

児童向けのアンケートは、実はあまり差が出ません。小学校低学年というのもあり、おそらく比較が難しいのだと思います。

なので、質問項目1つ1つ見ていかず、全体の質問の平均から傾向を探りたいと思います。

保護者のアンケートと同じように、各質問の回答に1.0~-1.0の点数を振っています。

全10問の平均をとったものが下記です。

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下に飛びぬけているのが、宮前小内学童の2017年・2018年です。保護者のアンケートでもダントツで低評価だった年ですね。

民営化前後

4つの学童に絞って、民営化前後を比較しても保護者のグラフによく似たグラフになります。上段は絶対値の推移、下段は民営化3年前を起点とした推移です。

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宮前小内学童で低下した2年間

目黒区の民営化の議論で良く出される宮前小内学童ですが、受託している会社の指導員や施設長などを批判するつもりはないです。実際、民営化3年度には他の学童と同じ水準にまで戻っています。現場の職員は大変な中、必死に保育して頂いたのだと思います。

ここで問題視したいのは、民営化のプロセスに問題が無かったのか、ということです。

まず、2017年・2018年の宮前小内学童で起きたことを目黒区がどのように評価しているのかまとめてみました。

宮前小学校内学童保育クラブは職員の異動等があったため、差が生じたと考えています。なお、令和2年度は「大変満足」「満足」の割合が合わせ91.3%と、他の民営化施設と同じ水準の満足度が得られています。
宮前小学校内学童保育クラブについては、職員の異動等がありましたが、今後の委託化においても継続して、委託化後の運営のサポート、フォローを入念に行っていきます

「職員の異動等」を原因だとしていますが、何故職員の異動が起きたのかは明らかになっていません。そもそも民営化は職員が総入れ替えになるので、職員の異動が子供に悪影響を与えるのであれば、民営化そのものやプロセスを見直してもらいたいです。

保護者のところでも書きましたが、トラブルの多くは個別の原因が起きます。その個別の原因を遡って、手段やルールなどに問題点を見つけ、そこを是正するのが再発防止です。

それと、このようなトラブルを「差が生じた」という表現で終わらせている事に違和感というか怒りを覚えます。3年度には戻ったので問題なかったような言い方ですが、その間に在籍していた子ども達や保護者に向かって、同じ事が言えるのか聞いてみたいです。

新たな民営化案を出す前に、民営化した4学童中1学童にトラブルが発生した事を再検証し、その検証結果をまず出すべきではないでしょうか。

※根拠となっている数値はすべて目黒区が公開しているものです。時間が経過すると目黒区のHPから削除されるので、下記にコピーが置いてあります。
https://app.box.com/s/a1sq7kfbz5vklf8qjt80vign74n4224v

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