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「耳鳴り」から学んだこと

こんにちは!

12月に入り、冬の寒さも一層と厳しさが増して参りました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

突然ですが、皆さんは耳のトラブルを経験したことがありますか?

東洋医学では、「冬」は「腎」の季節と言われています。そして、「耳」は「腎」に属すると言われています。

今日は、耳のトラブルが増えるかもしれない「冬の季節」に、わたしが最近人生で初めて体験した「耳鳴り」についてと、この経験から感じた治療への思いについて備忘録してみようと思います◎


1.人生で初めての「耳鳴り」。

元々、皮膚が弱いわたしは、子供の頃から耳の周りが特に弱く、すぐに荒れてしまったり、血が出てきたり、中が膿んでしまったり、定期的に外耳炎になったり…と様々な症状と付き合ってきました。生まれてこの方、耳が正常な状態だったことは1度もありません。

子供の頃は耳鼻科や皮膚科に行ってお薬をもらって塗っていたように思いますが、大人になってからは「いつものこと」と慣れてしまったこともあってか、自然と病院にかかることは無くなりました。

秋冬の季節は特に調子が悪く、今年の季節の変わり目にも、耳だれのような気持ちの悪い感じがありました。「外耳炎かな…。」という自覚はあったのですが、いつものような痛みがなかったので、少し様子を見ることにしました。

そして、ある日の晩のことです。

左の耳が突然聞こえが悪くなった(ぼやーんと聞こえる)と思ったのも束の間。その後「ざーーーー」という耳鳴りが始まったのです。

その日の夜は、数時間しか眠れませんでした。

2. 不安と焦り。

耳鳴りって、良くストレスが原因と聞くけれど…。人生で初めての耳鳴りに、動揺が隠せませんでした。

翌日。変わりなく学校に行きましたが、左耳はほとんど聞こえない。少しイライラする…。隣の席のクラスメイトと話をするのも億劫なほどでした。

そして、夜になっても耳鳴りは治るどころか音が大きくなってしまいました。

「耳鳴りは早めに治療したほうがいい」と聞いたことがあったので、翌日診療してもらえる耳鼻科を探して行くことにしました。

木曜日だったので、近所でやっている耳鼻科は1件しかなく、そちらに行ってみることにしました。

聴力検査では、左耳の聴力低下が認められ、診察では耳の中の状態を確認していただき、点耳薬と塗り薬を処方していただきました。

あまりにもあっさりとした診察だったので…(笑)先生に尋ねてみました。

「耳鳴りが人生で初めてで、不安に思っているのですが、これは治るようなものなのでしょうか…?」

すると、先生は「治るかかどうは分かりません。」とおっしゃいました。

この言葉に、わたしは余計に不安を募らせてしまったのです。

3.冷静に、対処する。

家に帰ってから、いただいた点耳薬を試してみましたが、全く耳鳴りが治る気配はありませんでした。

このまま治らなかったらどうしよう…不安。来週はテストもたくさんあるのに、支障が出たらどうしよう…焦り。

こうなってくると、もう取り憑かれたように「耳鳴り」を様々な単語と掛け合わせて、インターネットで検索し始めます。

そして、「完治は難しい」だとか、「ストレスからくるものが多い」だとか。色々な言葉を目にして、さらに気持ちは大きく揺れました。

ですが、わたしはこの心にブレーキをかけました。

「今、悩んだってしょうがない。もしかしたら、一生治らないかもしれないし、明日になったら治るかもしれない。」

そう気持ちを落ち着け、その日は少しでも楽になるように耳の周りのツボを低刺激のローラー鍼で刺激し、耳の周りをあずきのピローで温めて眠ることにしました。

この冷静な心のブレーキをかける方法と、気持ちを切り替える対処の仕方は、ヨーガから学んだものです。気休めかもしれませんが、気を休めることができるセルフケアの方法は、鍼灸・東洋医学の教えから学びました。

幸い、ぐっすりと眠ることができましたが、翌日も耳鳴りが治ることはありませんでした。

藁にもすがる思いで、わたしは翌日に別の耳鼻科を受診することを決めました。

4.2つ目の耳鼻科。

翌日。2人目の耳鼻科の先生に事情を説明し、前日に別の耳鼻科にかかっていること。お薬もいただいていること。けれど治る兆しがなかったので、念の為こちらも受診したこと。…正直にお伝えしました。

先生はとても優しい先生で、改めて耳の中を確認し、左耳の内部に膿が溜まっているのを見つけて機械で吸引し、洗ってくださいました。

すると…何ということでしょう!今までしていた「耳鳴り」が嘘のように、不快な音が聞こえなくなったのです。

わたしはもう、目が点でした。

先生曰く、鼓膜付近まで外耳で炎症した膿が届いてしまい、その膿を伝った振動が「耳鳴り」のようにに聞こえていたのではないか、とのこと。きちんと耳の構造の図を使って説明してくださいました。

前の耳鼻科さんが出してくださったお薬で大丈夫なので、数日使ってみてね、とおっしゃってくださり、その日を境にわたしの耳鳴りはすっかり治ってしまったのでした。

別の耳鼻科にかかることは、時間もお金もプラスアルファでかかってくることになります。セカンドオピニオンと思い行っても、同じ結果が伝えられることも十分あるかと思います。

ですが、お医者さんも人間。性格も、知識も、技術も様々です。病院一つとってみても、設備の新しさや病院の雰囲気など様々です。さらに、自分と合う・合わないもあるかと思います。

今回のように、少しでも気になる点があったり、一定期間通院しても改善が見られないようなケースがあるとするならば、別の病院を1度受診してみるという選択肢も必要だな、と感じました。

もちろんこれは、お医者さんに限ったことではなく、ヨガの先生や鍼灸師にも同じことが言えると身に染みて感じた体験でした。

5.耳鳴りとは。

耳鳴りとは、主に2つのケースに分けられるそうです。

1つ目は、今回わたしが体験したような「外傷性の耳鳴り」です。厳密に言えば聴神経には異常がないため耳鳴りにはなりませんが、これは、耳鼻科にかかりお薬で治すことが良さそうです。

2つ目は、「心因性の耳鳴り」。こちらの方が、一般的には少し厄介で治りが難しいと言われています。こちらの場合は、耳鼻科でもなかなか対応が難しいとのことなので、ヨーガや鍼灸などの東洋医学の出番かな、と思いました。

特に、心に起因するものはヨーガ療法の得意分野です。

毎年行われるヨーガ療法学会の発表でも、耳鳴りの症例は多く発表されています。その多くが、「完治する」といったものではありませんが、「少しでも緩和させて、耳鳴りと上手に付き合っていく方法を見つける」といった内容のものが多いことを見るあたり、耳鳴り・難聴というのはやはりとても難しい病気なんだな、と思っています。

ですが、視点を変えれば完治が難しい病気だからこそ、少しでも緩和させて上手く付き合う方法を探すということが、1番の支えになるのではないかなと思うのです。

今回のわたしの耳鳴りも、もし心因性のものであれば、自分で治せるかもしれないと思っていましたが、思い当たる節がなかったので、外傷性だろう。そして、1つ目の耳鼻科さんでの治療は、わたしが思っていた治療ではなかったので、もしかしたら別の方法があるのでは、と思った勘で2つ目の耳鼻科さんの受診に踏み切りました。

鍼灸の学校で学ぶ人間の体の構造や機能(解剖学や生理学)と、ヨーガ療法養成講座で学んだ心の問題の両方の視点があったからこそ、一概に「東洋医学は体に良くて、西洋医学は体に悪い。」とか「西洋医学は科学的で、東洋医学は胡散臭い。」とか。そのような「こだわり」や「情報」に振り回されることが無くなりました。

自分が学んだ知識を元に、平等な目で見て。その時、その人にとって1番良い選択を導き出せるように、これからもお勉強を続けていきたいなと思いました。

6.最後に。

当たり前に聞こえていた音が、聞こえなくなる。これがどれほど大変なことなのか、今回の経験を通して、身にしみて感じることができました。

今回のことがなければ、わたしは、耳鳴りがどれほどのものなのか、どれほど想像力を働かせても分からなかったと思います。

とても辛い。そして、とても不安。

もちろん耳も辛いけれど、それ以上にわたしは不安に思うその心の方が辛かったです。

これからも、自分の専門分野に固執することなく、色々な知識を身につけて、様々な選択肢を提案できるヨーガ療法士であり、鍼灸師を目指していきたいなと思いました。

最後まで読んでくださり、有り難うございました!

それではまた、次回◎

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