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魔王とお酒と、豪邸で勃起したありきたりな日常

俺は瑞穂(みずほ)に招待されて、伊勢志摩の丘の上にそびえ立つ大豪邸に行くことになった。

津駅の前に黒色のリムジンが横付けされて、俺と瑞穂はその車に乗り込み、瑞穂の実家がある伊勢志摩に向かった。

もちろん、その実家は相当な金持ちだから、そこの使いでリムジンが出ている。リムジンに乗り込むと、寒空で冷えた身体にちょうどいい塩梅の温度で暖房が効いていた。

瑞穂が聞いてきた。「フランスワインの上物の赤が備え付けの冷蔵庫に入ってるけど、飲む?」

すかさず俺は「いいね、そうこなっくっちゃ。着くまで1時間以上あるし、軽く飲もうぜ」

俺は冷蔵庫の隣からグラスを2つ取り出し、赤ワインを半分近く注いだ。

「何に乾杯しようか?」
「うーん、ウチの実家に初めましてで」
「オーケイ」
「カンパーイ」

社内に、2人のグラスを合わせた綺麗な音が響いた。

瑞穂が備え付け冷蔵庫からチーズを出して、買っておいたポテトチップスを鞄から出して広げてくれた。

俺たちはチーズとポテトチップスをつまみながら赤ワインをやりつつ、時折、外の景色を見た。

2人で赤ワインを一本空けるころ、車は伊勢志摩のとある丘を少し登って停車した。

俺は外を見てびっくりした。

そこには、大きな塀で囲まれた大豪邸がそびえ立ち、入り口のゲート(門)から曲がりくねった道がしばらく続いたところにその建物はあった。

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