【詩】過去よ わたしのかなしみを
#1
それは呼吸からはじまる
吐息と並行して触れる
#2
包装に指先の接触した、包装に0.1mmの切れ目を入れた瞬間、解き放たれる粒子 時空の向こうに淡い七色の裂け目が走って、幾つもの層を内から引き裂いて、地球のいつかどこかの記憶が弾け出すのを、目の当たりにして、わたしは感嘆して、息を 吸って、吐いた
湧き上がるベージュ色の粒子が繋ぐ流動的な過去とわたしと大気 水 雨 水滴 蒸気 熱を持って熱帯 密林 上昇する風 爬虫類を生かす影 5億年前から明日まで そのすべてをいまわた