坂岡恵

ゆるく書きたくなったことを書いています。 海と美術館が好きです。

坂岡恵

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マガジン

  • 書いたものたち

    自由気ままに書いたものたちをしまう箱。

  • 坂岡恵とは

    自己紹介にあたりそうな記事たちを収納しています。

  • 自作の詩をまとめています。

最近の記事

唯一の友人が結婚して、時間をもらってお祝いもさせてもらったら、死に時だと思っている。わたしはそちらの世界には行かれないから。

    • プロフィール:わたしを表す言葉

      なにもない 以外にわたしを表す言葉があるだろうか? SNSのアカウントを作るとき、いつも迷うことがある。どのような言葉でアカウント、ならびにわたし自身を説明するかだ。 居住地と出身地を公開するつもりはない。地域性のある話をする予定はないから。 学歴も公開しない。これも関係がないから。 性別も明かさない。読み手に察されるかもしれないが、投稿内容には無関係だ。 (坂岡恵の名は仮名である) 持病を書いている例も多いが、不要だろう。他の項目と同様、読み手に価値のある情報ではない。

      • 虚無の路上から未知の空へ

        ここは重力が希薄すぎて 一身を賭してなお 歩幅ひとつごとに からだとからだが剥がれてしまう やみくもに前を向き 地にすべり落ちるからだと 上空から白いヴェールが降りるのを待つ 一歩ずつ、一歩ずつ つま先とかかとが地へ届かなくなる 12匹の小魚が胸を掠めて 霞む背筋を交互に突いた 吊らされる両足を包むやわらかなものを 特定できない 濡れた路地で 常温のそれに身を委ね 心臓を上に横たわり 全身が包まれるのを待つ 引き剥がされるからだを空のあなたに託す 緩やかに包まれて浮遊

        • 気に入った記事にはついスキをしてしまう。結果、ほんとうにわたしの記事を気に入っていただけたスキと、お返しのスキの区別がつかなくなっていると思う。実際は今ついているスキ数ほどの評価はないと理解しておくべきだろう。

        唯一の友人が結婚して、時間をもらってお祝いもさせてもらったら、死に時だと思っている。わたしはそちらの世界には行かれないから。

        • プロフィール:わたしを表す言葉

        • 虚無の路上から未知の空へ

        • 気に入った記事にはついスキをしてしまう。結果、ほんとうにわたしの記事を気に入っていただけたスキと、お返しのスキの区別がつかなくなっていると思う。実際は今ついているスキ数ほどの評価はないと理解しておくべきだろう。

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        • 書いたものたち
          3本
        • 坂岡恵とは
          2本
        • 4本

        記事

          無題 #2

          汚染された霧の向こう 金属質の騒音の先に少女の横顔を見た 白い肌と後れ毛が青白い照明に照らされ揺れている 彼女の唇は蒸気にあえいで見えた その美をもってしても熱い濁流は止まない 横を見ると くずおれた人々の顔も白んでいた すべておのれの眼 おのれの顔である まもなく次の波が訪れる

          無題 #2

          無題 #1

          喉から溢れ出す純水  厚みのある熱が込み上げる過程に並走する彫刻刀の傷み くずおれる人の群れのなかにおのれを探しても みながおのれである みな他人である すべての人の 剥いでも剥いでも届かない底から休みなく熱湯が湧く  すべての喉を駆け抜ける拍動はいま同期された 濁流の到来を感知し暗転する眼 すべての熱湯 すべての原子を吐き出し 互いに飲み干し合うのだ

          無題 #1

          【詩】詩作

          そこここに一瞬非現実の景色が光る それは本来わたしには見えないもの それでいてわたしをひどく惹きつけるもの あまりに何度も視界中をきらめくので、わたしはすべて掴もうとしてうまく捉えられない 必死で追いかけて息を切らした その間にも景色と光は増えてゆく 光が世界を埋め尽くしそうになる 咳が止まらない このままでは現実にとどまれない 景色の先へ連れ去られそうだ パステルカラーの空間で半狂乱になってもまだ届かない 過剰な光はわたしの体内へ侵入する わたしの中で新たな景色が展開

          【詩】詩作

          【詩】過去よ わたしのかなしみを

          #1 それは呼吸からはじまる 吐息と並行して触れる #2 包装に指先の接触した、包装に0.1mmの切れ目を入れた瞬間、解き放たれる粒子 時空の向こうに淡い七色の裂け目が走って、幾つもの層を内から引き裂いて、地球のいつかどこかの記憶が弾け出すのを、目の当たりにして、わたしは感嘆して、息を 吸って、吐いた 湧き上がるベージュ色の粒子が繋ぐ流動的な過去とわたしと大気 水 雨 水滴 蒸気 熱を持って熱帯 密林 上昇する風 爬虫類を生かす影 5億年前から明日まで そのすべてをいまわた

          【詩】過去よ わたしのかなしみを

          自分の文章の印象が気になる。 重い/軽い、暗い/明るい、澄んでいる/濁っている、絵画っぽい、音楽っぽい、スポーツっぽい、などなど。自分ではわからないから。

          自分の文章の印象が気になる。 重い/軽い、暗い/明るい、澄んでいる/濁っている、絵画っぽい、音楽っぽい、スポーツっぽい、などなど。自分ではわからないから。

          芸術鑑賞

          最近、詩を読んだり、絵を見たり、歌を聴いたりしていると、ほんとうは目に見えないものが書かれて(描かれて、歌われて)あるんじゃないかという感覚をおぼえる。 根拠なく説明も難しい。 それでも、皮膚を何かが通過したり、額の手前の空間に何かが浮いているように感じる。 同時に、芸術鑑賞によって受ける衝撃といっても多様だと気づく。 位置も、質感もまるで別物だ。 シャワーで汗を流したように気分のよい時もあれば、体が冷えて疲れてしまう時もある。 でも、それが面白さだとも思う。 わたしは、形

          芸術鑑賞

          詩 朝焼

          光 わたしを透過する長方形 無数の波を捕るうつし紙 胸を打つ鈍器 胸に絡むヴェール すべての人に共鳴する半球 異界のひと いま 身を貫かれ 叫びを上げて駆け出す 溢れ出す風 あなたの友の助けを得て 空に発つ さああなたのところへ連れて行って わたしの右手を握ってください 首筋をなでて そのやわらかな手で わたしの心臓を取り出して 

          詩 朝焼

          詩 海底浮遊

          泳げ 毛布に揺れる海月の触手をかき分けて ねとつく菫色を剥いで 白銀にぎらつく月の遠く先へ その霧の向こうへ 天にぶらさがり軽々と歩こう やさしい手を踏みしめ 冷たい底流が背中を撫でる はるか先しっとりと濡れた蜃気楼の先まで 残り4962歩

          詩 海底浮遊

          何者かになれない呪い 大人になれない自分

          青年期を脱せない 何者かになりたい、この気持ちは、今時の若者にはよく見られるものらしい。 お察しの通り、わたしもそんなむなしい若者のひとりである。           ⁂ たったの数年前までは、努力すれば何かしらを達成できて、自分の望む何者かになれるのだと、無邪気に信じていた気がする。 今になって思えばあまりに曖昧で馬鹿げた考えだ。 しかし、わたしはわたしのわずかな可能性を盲信していた。 外見も良くないし、コミュ力もない、スポーツもできないのなら、せめて学業か仕事では報

          何者かになれない呪い 大人になれない自分

          読書は会話 知り得ない世界の断片

          本を読むとき、わたしはなにを見ているのか 読書を通じて、いったいなにをするのか わたしなりの結論を先に述べてしまうと、本を読んでいる間、わたしはひとの姿を見ていると思う。 人数や濃淡の差こそあれ、ひとの輪郭を眺め、ひとのからだの厚みを考えている気がする。 といっても、街中でひとが服を着て歩いているように全身を見ているとは限らない。 手や髪のみの場合も、なんなら、体の一部分でさえない時もある。 むしろひとの姿よりも、色として現れる方がよほど多い。 色なのだけれど、感情を伴っ

          読書は会話 知り得ない世界の断片

          吐きながらでも書く

          連続投稿2ヶ月を達成できずに先月が終わった。 いま、昨年からずっとやろうと思っていた本の感想に、ようやく本格的に取り掛かっているところだ。 毎日、電車の中でも、ときに他のことに集中しなくてはならない場面でも、本と自分の感想についてばかり考えている。 おかげで書き始めて最初の数日はいい具合に進み、これは(書いていて)面白そうだと思っていたのだが、途中からそうも言っていられなくなってきた。 書き物用のノートを開くたびに胃腸が重苦しい。 いや、ペンを持つどころか、頭で考えるだけ

          吐きながらでも書く

          この世はわたしより出来た人だらけ

          わたしには何が与えられているのでしょうか? 変わり映えしない日々だと思う。 そんなことを考え、あまりにもありきたりな表現だと自分で指摘しながら、自分に才能が無いことをうらみます。 生活はあいもかわらず苦しく、貯金の目標は達成できずに昨年を終えました。 毎食似たようなジャンクフードをかき込むか、何も食べずにいるここ1週間、もしくは数年間の出来事を、ろくに思い出せないくらい、ありふれて価値に欠けた暮らし。 振り返れば、もう記憶にないほど以前から、何もかもがクリーニングでも落とせ

          この世はわたしより出来た人だらけ