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Seattleへ。(5)

Seattleに行こうと思った理由は、そこに、友達がいたからということに尽きる。

高校時代の同級生のK。
私たちは国際教養科という、英語を集中的に学べるクラスに通っていた。学年に1クラスだったからクラス替えもなく、3年間ずっと一緒だった。おかげで、その頃のクラスメイトは、特別に仲良くなくても、何かしらの結びつきを感じる、同志のような存在だ。
県のあらゆるところからわざわざ国際教養科を選んで入ってくる子達ばかりだったので、高校生活3年の間に1年間の海外留学をする同級生も多かった。留学した子達は日本に帰ってくると、1学年下の学年にいって、3年間の授業を履修する仕組みだった。
Kも、アメリカに1年間留学をしていたので、その頃は普通に話しはするものの、遊んだ記憶はそこまでなく、高校卒業以来は会うこともなかった。

2000年前半に、KとFacebookで再会した。
Friend RequestをくれたKのことを、そのときは全然思い出せなかったことはKには内緒だ。Kは当時はカナダにいて、カナダ人の男性と結婚していたから、旦那さんの苗字になっていて、顔つきもすっかり海外の人の様相だったのだから、仕方がないと思う。曖昧な記憶のまま承認して、しばらくたち、あるとき急にKの苗字を思い出して、そうか、あれがKだ、と、古い記憶とつながった。そこからは確かな旧友としてのやりとりを再会した。

彼女はアメリカでhealth coachという仕事をしている。2児の母でもあり、すてきな旦那さんとの四人家族。
ストレスをまぎらわすために食生活にトラブルを抱えている人のための仕事をしたいとIIN(Institute for Integrative Nutrition)で勉強し、起業した。彼女のブログを見て、その活動にすごく興味をもち、もともと食生活や体型に対しての悩みをかかえ、うつ気味な自分を感じていたから、お金をはらって彼女のセッションを受けた。
セッションが終わってからも、Kは、ふとしたとき、私がちょうど不安定になるようなタイミングで「元気でやってるかな?」とメッセージをくれる、心を許せる存在になった。

犬が死んで落ち込んでいた時にも、無理して忘れようとしないでいいということ、自分の気持ちを全部書いて見ると良い、などのアドバイスとともに「シアトルくるタイミングがあったらきなよ」「英語ができるんだからもう海外に住めばいいのに」と笑いながら励ましてくれる存在。
だから、彼女がどんな生活を送っているのかも知りたくて、行けたら行こうとずっと思っていた。

犬との最期の日に
自分を変えたい、行動する自分になりたい
泣きながら決意した。

その決意は、私にとって、犬と幸せに暮らすための犬との約束だった。
だから、やりたいことをそのままにして、行動せずに考えるだけの日々に戻らないように「もう、行っちゃえ」と決めた。

シアトルに行って、友達に会いたい。
それだけを目的に、Seattleにいった。

(入国審査で、いやみな審査官になぜか「観光でどこに行くのか」と聞かれ、観光地の名前ではなく、「美術館とか、自然公園とか」などとあいまいなことしか言えなかったぐらいろくに下調べもせず。)

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