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さようならチェルシー

たまたまチェルシーの話になったことがあった。
おちびが「食べたことない」と言うので、そうだっけ?と思いつつ。


そんな会話も忘れかけた頃に家族皆で偶然スーパーに行って私とおちび二人だけがヘトヘトになってしまい、夫に買い物は任せて二人でお菓子でも買ってイートインスペースで休憩しようということになった。
お菓子を吟味するおちび。私は、プリキュアの可愛いパケのチョコレートがあったのでそれにした。
おちびはだいぶ迷ったようだったがチェルシーのヨーグルトスカッチにした。
「あれ?ヨーグルトスカッチしかないの?バタースカッチないのかあ」
お会計を済ませて二人で並んで座りほっと一息。

また同じ機会があった。その時もヨーグルトスカッチしかなくて、二人で残念に思った。結局クッピーラムネを選んでたかなと思う。私はプリキュアのチョコレートだったろう。その時はまだスカイプリキュアで、本当に可愛かったんだ。

いつか、どこかでバタースカッチを見つけたら皆で食べよう、そう思ってた。

それから何ヶ月後のことだったろう、チェルシーが終売になる記事を読んだのは。
衝撃だった。
チェルシーといえば私が小学生の時に山へ歩きに行く遠足で、出発する前に学校から全児童に配られたのが蜜柑一個とチェルシーヨーグルトスカッチ一箱だった。六年生までずっと毎年。

終売の記事を読んでから私達は行く先々でチェルシーを探した。
でも、ヨーグルトスカッチすら店頭になかった。せめて三種類の味が入ったアソートの袋でもいいから欲しかった。おちびに、バタースカッチはこんな味なんだよって食べてもらいたかった。完全なるエゴだけれども。無かったなら仕方無いが、せめて行った先のスーパーなどではお菓子売り場を歩いた。

探し回った末、家の近所のドラッグストアでアソート袋を発見した。こんなに近くにあったんだ!
「灯台もと暗し!」と私はお店を出てジャンプした。

三人でそれぞれ食べてみる。意欲満々なのはおちび。まず、夫に「おちびには苦いで」と言われたコーヒースカッチ。苦かったらしくすぐにぺっした。ちなみに私も苦くて無理だった。幼い頃祖父からもらったコーヒーガムみたいには甘くないんだな……。
おちびは次にバタースカッチに挑戦。チェルシーの王道の味と思ってる私。でもおちびは「無理」っていう顔をしてぺっした。結局おちびはヨーグルトスカッチ専門で。そしたら私はバタースカッチ専門で。「じゃあ俺はコーヒー舐めるわ」と三者三様の結果になった。

それからまた少し経ってチェルシーの終売は若者の飴離れ、という記事を見かけた。真偽のほどは分からない。ただ私の小学生時代の思い出の一コマにチェルシーは確かに存在していた。

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