第27週 歴史上の人物 岸田 今日子
はじめに
第27週目の歴史上の人物は女優、声優、童話作家の岸田 今日子さんです。
子ども時代
岸田 今日子(きしだ きょうこ)さんは
1930年4月29日 東京府豊多摩郡(現在の東京都杉並区)に劇作家で文学座創設者の岸田國士氏・翻訳家の秋子さん夫妻の次女としてお生まれになります。お姉さんは詩人で童話作家の岸田衿子さんです。
今日子さんは若くして母をなくされています。
そして自由学園高校在学中に舞台美術に興味を抱き、舞台美術家を志されます。
女優に
卒業と同時に裏方としてお父さんが関わっておられた文学座付属演技研究所に入り研修生となられます。
その後女優に転じ、1950年に『キティ颱風』で初舞台をふまれます。
1953年に今井正監督の『にごりえ』の端役で響子さんは映画デビューされます。
結婚
1954年、同じ文学座に所属する(演技だけでなく当時二枚目俳優としても評判の高かった)仲谷昇氏と結婚されます。
妊娠したが俳優という休めない仕事の影響もあり、一度流産を経験されているそうです。
その後は演技に磨きをかけ、舞台を中心に映画、テレビ、声優と幅広い芸域で活躍されます。
1960年、三島由紀夫氏演出の『サロメ』で主役に抜擢されて以降、テアトロン賞を受賞した『陽気な幽霊』をはじめ、数多くの舞台で多くの大役、難役をこなされます。
映画では1962年に『破戒』などの演技で毎日映画コンクール助演女優賞、1964年には『砂の女』でブルーリボン助演女優賞を受賞して、実力派女優としての地位を確立されます。
文学座脱退後
1963年、杉村春子さんら文学座幹部の運営に限界を感じていた芥川比呂志氏、高木均氏、小池朝雄氏、神山繁氏、山崎努氏らと共に文学座を脱退されます。
今日子さんは「劇団雲」を経て、1975年には「演劇集団 円」の設立に参加され、『壊れた風景』、『うしろの正面だあれ』、『トラップ・ストリート』など、別役実書き下ろしの大半の作品に出演されます。
その後もテレビ・映画出演と並行して舞台女優としても第一線で活躍されました。
今日子さんは近寄りがたい妖艶さを見せる一方、ユーモラスな役もこなす硬軟自在の演技は若い頃から評価が高かったったそうです。
その存在感から怪優と賞されることもあったそうです。
テレビドラマでの活躍
テレビドラマでは、特に1963年の『男嫌い』に、男をむしる独身四姉妹・越路吹雪さん、淡路恵子さん、岸田、横山道代さん(現・横山通乃さん)の三女役で出演したことで今日子さんはテレビの視聴者にも人気となられました(四姉妹の末弟役は坂本九氏だったそうです)。
同番組は「カワイ子ちゃん」「かもね」「そのようよ」などの流行語を生み出す大人気ドラマであり、お茶の間での岸田の認知度も上がったそうです。
映画では市川崑作品に多く起用されており、『犬神家の一族』などに出演されています。
二度目の妊娠をし、流産回避のため仕事を断る決意をし、1968年に長女を出産されます。
今日子さんの趣味は麻雀だそうで、1970年代に「週刊ポスト」で行われていた勝抜麻雀企画に出場し、阿佐田哲也氏に勝ったこともあるほどの強豪であったそうです。
離婚とムーミン
俳優として評判が高く仕事に忙しい生活となっていた一方で、次第に夫との仲がうまくいかなくなられたそうで、1978年に離婚されます。
娘と二人の生活が始まった。
その娘に自分の仕事を理解してもらおうと、アニメ『ムーミン』のムーミン・トロールの声を担当されます。
こうして世間の子供たちにその声が愛されることになったそうです。
また、『ムーミン パペットアニメーション』ではムーミンを含めたすべてのキャラクターおよびナレーションまで一人で全部を演じわけているそうです。
独特の声と情感豊かな読みにより、ナレーターとしても他に得がたい存在として、ドキュメンタリーからバラエティまで幅広く起用されていた。
著作家として
著作も多く、エッセイから翻訳など幅広い分野で健筆を振るった。特に児童文学、童話については造詣が深く、所属する「演劇集団 円」では、毎年年末にシアターΧで上演される、幼児にも楽しめる舞台「円・こどもステージ」の企画を担当されていたそうです。
2002年にはポップシンガーUAさんのシングル「DOROBON」で詩の朗読に参加され幅広い活動を続けられました。
晩年には『とんねるずのみなさんのおかげです』にも出演し、当時の若年層にも高い知名度を誇るようになられました。
2006年12月にはNHK-BS2にて放送された『ミス・マープルシリーズ』の主人公ミス・マープルの吹き替えを担当されました。
放送と前後し他界したため、これが遺作となったそうです。
2006年12月17日午後3時33分、脳腫瘍による呼吸不全のため東京都内の病院で死去されます。76歳でした。 2006年1月テレビ朝日放送の法医学教室の事件ファイル第22作が今日子さんの遺作となったそうです。
めぐめぐがすごいと思う岸田今日子さんのこと
1お父さんからの演劇の才能、お母さんからの文学の才能両方を受け継がれて、女優として、作家として幅広い分野で活躍されたこと
2苦労して生まれてこられた娘さんのためにムーミンの声を担当され、その後子どもたちに絵本を書かれるなど、多くの子どものためにその才能を使われたこと
3そして亡くなるほんの前まで精力的にテレビで活動され、バラエティー番組からドラマで多くの世代のファンを魅了され続けたこと。
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