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回復力のあるチームの3つの行動戦略

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、テレワークなどいつもとは違う仕事の仕方を導入したり、売り上げに打撃を受けている企業も少なくないかと思います。また、変化の激しい時代においてはコロナに限らず、様々な要因により、大きなダメージを受けることも少なくないかもしれません。
 このような、不確実で変化の激しい世の中においては、「チームレジリエンス」が重要になると言われています。

チームレジリエンスとは?

 チームレジリエンスの定義は諸説ありますが、ざっくり言うと、チームで逆境や困難を乗り越える力を意味します。逆境や困難といっても、コロナのような大きな危機だけでなく、日常業務の難しさや、結果がでないことといった日々の困難を対処し、高いパフォーマンスを発揮する上でもチームレジリエンスは有用であると考えられています(Alliger et al. 2015)。


高いレジリエンスを持つチームの行動戦略

 では、チームレジリエンスが高いチームは、どのように困難を克服しているのでしょうか?Alliger et al. (2015)はレジリエンスの高いチームは、①最小化、②管理、③修復という3つの行動戦略をとると指摘ます。

①最小化:最小化とは、問題を早期に見極め、問題を回避したり、避けられない問題については、その影響を軽減することを示します。例えば、営業チームは市場環境の変化に打撃を受けやすいと考えられますが、レジリエンスの高いチームは、このような変化を予測し、事前に対処法を話し合います。

②管理:管理とは、課題を迅速・的確に評価し、サポートし合いながら、通常時と同じ冷静さで動くことを意味します。レジリエンスの高い石油生産チームは、緊急時でも冷静に対処できるように、エンジニアリングの専門家といつでも相談できる関係を作り、深刻な問題が発生したときには深夜にも連絡できるようにしています。

③修復
:「新しい通常」に迅速に適応する、ディブリーフィングを行い、懸念事項やリスクポイントに対処することを示します。レジリエンスの高いチームは、チームは何が悪かったのか、何が正しかったのかを振り返り、得られた教訓をもとに、将来に向けた具体的な行動計画を立てます。

 このように、問題を早期に見極め、問題の渦中にあってもできるだけ冷静に対処できる仕組みを作る。危機を抜けたら、ニューノーマルに適応し、きちんとリフレクションし、次に来るかもしれない危機に対処するといった戦略は、危機的なな状況を対処する上で有効だと言われています。
 実際に、大変な時は、特に②のような行動をとるのは難しいかもしれませんが、この3つを意識しながら行動する事は、チームが困難と向き合う上で有効かもしれません。

この記事の、もとになった研究はこちら
Alliger, G. M., Cerasoli, C. P., Tannenbaum, S. I., & Vessey, W. B. (2015). Team resilience: How teams flourish under pressure. Organizational Dynamics, 44(3), 176–184. https://doi.org/10.1016/j.orgdyn.2015.05.003

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