日本人は恥ずかしがり屋か？いいえそうではありません。

日本人は恥ずかしがり屋か？いいえそうではありません。

最近面白い話を聞きました。日本には多くの外国人の英語の先生が住んでいらっしゃいます。その多くの方たちは、ネイティブイングリッシュスピーカーとして諸外国から来た人たちです。おそらく数年にわたって日本での生活を終えた後、自国に戻られる人が大勢だと思います。そのうちの一人イギリスから来た女性の英語の先生とこの間、面白い話をしました。彼女に私がなぜ日本人は英語を話すことがいつまでたっても苦手なのかということを聞いたところ、彼女は日本人の多くは恥ずかしがって英語をあまり話したがらないということでした。典型的な一つの答えだなと思ったんですけども、その後彼女はこう言いました。彼女が日本に移り住んでから彼女自身の性格が変わったというのです。どう変わったのかというと、これまでは全然恥ずかしく思わなかったことが日本に住むようになってから、恥ずかしく思うようになってきたという話でした。それはどういうことかと申しますと、日本人は恥ずかしがりや内向的な面があって、それは諸外国の方々にもそういう風に思われています。実際に彼女が異国の地から日本に引っ越しをしてきて暮らし始めたところ、日本の社会になじんではきたんですけども、日本人が恥ずかしいと思われるような場面で、彼女も恥ずかしいと感じることが多くなったということなんですね。本当に面白いことなんですけども、彼女は日本の社会に同化してきたということなんだと思います。今まで違った社会で生きてきた彼女は、新たな社会で暮らすようになって、今までと違った性格になってしまったんですね。これはどういうことかと申しますと、まあどこの世界でもあると思いますが、社会的重圧というものから現れているんだと思います。

日本人はなんとなく、英語はかっこよくっておしゃれな言語だから、自分が話すことはなんとなく恥じらってしまうというか戸惑ってしまうということがあると思います。憧れを抱いているが、ゆえになかなか話をするという上では、話しづらい、声に出しにくいという言語なのかなと思います。気持ち的な問題だと思いますね。だから、今まで日本人が外交的ではなくって恥ずかしがりやと言われてきたのは、そういった理由があるのではないかなと思います。日本人というのは、もともとは恥ずかしがり屋ではないと思います。日本人同士ならうまくコミュニケーションとれている人たちもたくさんいます。積極的な人もたくさんいます。ただし、そういう人たちでさえ外国人を前にすると言葉を失ってしまったり、口をつぐんでしまったりするということが数多く見受けられます。悲しいことにそういう日本人の態度に失望してしまう。あるいは悲しんでしまうという外国人の方って非常に多いんですね。自分が何か悪いことをしたわけでもないのに、日本人の反応が薄かったり、あるいはなかったりすると、外国人は仲良くしようという期待があった分、失望感も大きいものとなってしまいます。それは日本人が悪意があって、そういうよからぬ態度をとってしまったということではなくて、恥ずかしくて英語が話せなくってついそんな態度で出てしまったというのが正直本音だと思います。

これはね、英語がおしゃれでかっこいい言語だとの思い、だからこそ自分が話すのは少し気後れしてしまうというようなプレッシャーからきているんじゃないかなと私は思っています。かくいう私も最初英語を話す時はなんとなくですね。あえて、日本語発音で日本語のアクセントで話してしまったり、なんとなく自分が気取った人間に見られるような気がして、英語そのもののアクセントで話すことが恥ずかしいような感じがしてしまったっていう経験があるんですよね。

そのことから日本人がなぜ英語を話すようにならないのかということに関しては、日本人はおそらく英語を話す時に少し気後れをしてしまうということと、あとは自尊心を傷つけないように守りに入ってるというのが主な原因なのかなと思います。ちょっと変な社会だなと思いますけども、なんとなくカッコいいようなことをしている、カッコいいパフォーマンスをしている人たちに、何かあいつは気取ってるなと思われるのを嫌がるような国民性があるような気がするんですね。

それはおそらく外国人は最初来日する前には気づいてないのかもしれないんですよ。ただ、住み始めて日本人のそういった国民性に気がついて、出る杭は打たれるということわざがあるように、外国人も日本の社会の中ではなるべく出る杭にならないように振る舞い始めるということとつながっているような気がします。

冒頭で英語の先生が日本に住み始めたら、自分自身も恥ずかしがり屋で内向的な性格に変わってしまったと言ったように、日本には社会的な重圧、同一化しなくてはという重圧があるように思います。その点では、精神的にはあまり自由じゃない社会なのかなとは思いますし、それを一人一人が変えていこうという意識を働かせないと、なかなか変わらないのではないかなと思います。英語を話せる話せないというのは微々たる問題なのかもしれませんけども、一人一人がね、海外の人にも臆せず、同国人に接するように同じように接していこうという気持ちを持ち始めたなら、おそらく英語を話せる人は格段に増えると思います。間違える間違えない、あとは気取ってると思われる、思われないか気にすること。そういう問題は深刻にとらえないで、どんどんどんどん積極的に関わっていくということが大切なんじゃないかなと思います。

日本人同士でさえね、お互いにこう周囲の目を気にしまくるようなところがあると思いますので、まずそれをね。気にしないようにするということが一つの解決策なのじゃないかなと思いますね。日本人はもっと伸びしろがあると思っています。