国家レベルでの思考：三つの視点から考察する

　日本の政治家が哲学や宗教に基づいたフィロソフィカルな視点を持っていない、自己の利益だけを考えている。

伊藤貫の「物を考えるには3つのP」について考察しました。
1．philosophy
2．paradigm　
3．policy

　国家レベルで物事を考える場合、三つの視点を持つことが重要です。
1. フィロソフィカルな視点：哲学・宗教に基づいた価値観と世界観
　国家は単なる政治的・経済的な存在ではなく、独自の文化や価値観を持つ共同体です。国家のあり方や目指すべき方向性を考える際には、哲学や宗教に基づいた価値観と世界観を踏まえることが重要です。
具体的には、以下のような問いを投げかけることができます。

• 国家の目的とは何か？

• 人間の幸福とは何か？

• 正義とは何か？

• 自由とは何か？

• 平等とは何か？

これらの問いに対する答えは、必ずしも一つとは限りません。しかし、国家レベルでの議論においては、共通の土台となるような価値観と世界観を共有することが重要となります。

2. パラダイムレベルな視点：経済学に基づいた状況分析
　国家は、経済活動を通して発展していく存在です。国家レベルでの意思決定を行う際には、経済学に基づいた状況分析を行うことが重要です。
具体的には、以下のような要素を分析する必要があります。

• 経済成長率

• 雇用状況

• 物価水準

• 貿易収支

• 財政状況

これらの要素を分析することで、国家が抱える課題や可能性を把握することができます。

3. ポリティカルな視点：目の前に起きた問題への対処
　国家は、常に様々な問題に直面しています。これらの問題に対処するためには、政治的な手腕が必要となります。
具体的には、以下のような能力が求められます。

• 問題の本質を見抜く力

• 様々な利害関係者との調整力

• 迅速かつ的確な意思決定力

• 国民をまとめるリーダーシップ

政治家は、これらの能力を駆使して、国家が抱える問題を解決していく必要があります。

三つの視点の相互作用
　この三つの視点は、互いに関連し合い、影響を与え合っています。
例えば、フィロソフィカルな視点に基づいた価値観は、経済政策や政治体制に反映されます。また、経済状況の変化は、国家の価値観や世界観に変化をもたらすこともあります。
国家レベルでの思考においては、常にこの三つの視点を意識し、相互作用を理解することが重要です。

結論
　国家レベルで物事を考えるには、哲学・宗教に基づいた価値観と世界観、経済学に基づいた状況分析、そして政治的な手腕という、三つの視点を持つことが重要です。
これらの視点を相互に理解し、状況に応じて使い分けることで、より良い国家を築くことができるでしょう。

国家 上 (岩波文庫 青 601-7)