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もう一杯のカフェで世界を変える

 カフェは、人々がくつろぎ、会話を楽しむ場所です。
そして、カフェは、人々が互いに助け合う場所にもなり得ます。
それが「カフェ・ソスペーゾ」という取り組みです。「カフェ・ソスペーゾ」とは、イタリア語で「保留しているコーヒー」という意味で、自分の分に加えて、誰かの分もコーヒーを注文し、先払いするという仕組みです。この仕組みによって、コーヒーを飲むことができない貧しい人やホームレスの人に、無料でコーヒーを提供することができます。コーヒーは、ただの飲み物ではなく、温かさや優しさや希望を与えるものです。
「カフェ・ソスペーゾ」は、イタリアから広まった取り組みです。イタリアは、キリスト教(カトリック)が国民の約79%といわれる(2021年)国です。キリスト教は、隣人を愛するという教えを持っています。そして、家族を大切にするイタリア人は、地域や隣人をも大切にするのだと思います。「カフェ・ソスペーゾ」は、そのようなイタリア人の心の表れと言えるでしょう。「カフェ・ソスペーゾ ~優しさがつなぐ一杯~」という映画にもなったようですが、DVDはないようです。

日本でも、「カフェ・ソスペーゾ」に似た取り組みがあります。青梅の団体「kanpa cafe mio(カンパ・カフェ・ミーオ)」は、子供たちに「もう一食」を出すため、助成金を頼らず、寄付とボランテイア活動で子供たちに食事を提供しています。子供たちは、食事だけでなく、勉強や遊びや交流の場を得ることができます。この団体は、コロナ禍で困っている人たちにも支援を行っています。
「カフェ・ソスペーゾ」や「カンパ・カフェ・ミーオ」は、小さなことから始まった取り組みですが、多くの人たちの心に触れ、社会に変化をもたらしています。

富める人は、困っている人にシェアすることで、お互いにハッピーになれると思います。

【「1杯分」払い子に食事を 伊のコーヒー文化参考に】読売新聞オンライン 2023/01/12

【「もう1杯」をシェアする経済、カフェ・ソスペーゾが世界に広まる」】
持てる者が、あとで来る誰かのためにコーヒーの代金を支払っておく「カフェ・ソスペーゾ」。この世界に知られていなかったナポリ独自の習慣が、経済危機のいま、多くの人々を惹きつけつつある。 2015.01.12

「カフェ・ソスペーゾ」は、イタリアがその長い歴史において最も困難な時期にあった第二次世界大戦中、ナポリで生まれた習慣だ。カフェのレジで、余裕のある人は自分のコーヒー代を払って、さらに「もう1杯分」の支払いもする。もう1杯のコーヒーを飲むのは「保留」(=sospeso、ソスペーゾ)にして、それを求めてきた他の誰かのものとなる。

それから半世紀以上が過ぎた2008年以降、イタリア人たちは再び、困難な時代を生きている。そして、このアイデアが再び取り上げられることとなった。ナポリの有名なカフェ「ガンブリヌス」をはじめとする創設者たちの意志で2010年に生まれた「カフェ・ソスペーゾ・ネット」の尽力もあり、多くのイタリアの都市に広まっている。

WIRED
コーヒー、カフェ


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