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ぼくらの夏休み2022と長野観光の旅行記 with発達障害児兄弟#2

高速バスさえ乗ればホテルへ行くだけ。予定していたバスに乗れたので、夕食も間に合うし、翌日の「ぼくらの夏休み2022」の会場もホテルから徒歩圏内。計画通りに進んでいる気でいた。

高速バスの「次は長野IC」というアナウンスと共に降車ボタンを押し、もうすぐだからねと子どもたちに声をかけた。苦手な地図だが、ホテルまでの経路案内をアプリで準備して、長野ICのバス停で降車した。

高速バスこそラスボスと思い、乗った時点でやっつけた気でいた。が、バスを降りて真のラスボスと遭遇した。

暗闇である。

元々岡山の中でも田舎でコンビニに車で行き、街灯がないなんて当たり前というところに住んでいた。けれど、見知らぬ地で暗闇に迎えられるとは思っていなかった。

ははは、星が綺麗に見えるね!なんて子どもたちを元気づけようと言ったものの、真っ暗な中歩くことは変わりない。歩道は右も左も草が生い茂っているのがうっすらわかったが、うっそうとしていてどこが歩道なのかわかりにくかった。大阪に引っ越してから満天の星空とは縁遠くなったのは事実で、子どもたちが少しは星を眺めて歩いてくれたのは救いだった。本当にこっちでホテルは合ってますか……と、子どもたちには明るく振る舞いつつも見えない暗闇に不安しかなかった。

ふとスマホを見ると20時を過ぎていた。ホテルの夕食は入場が20時半までで21時には終了だった。

もし道を間違えていたら母のせいです!すみません!とりあえず地図アプリではホテルへ近付いている模様です!と、あんまりにも暗いのでスマホでライトをつけながら多分ホテルへ着くだろう道を歩いた。とにかく右も左も草、草、草。

数分歩いて、ようやくホテルらしき建物を見つけた。家を出る前にチェックインが遅くなりますと電話をしていたこともあってか、ホテルから夕食の時間がそろそろヤバいですけど…という確認の電話がきた。その電話を受けた時は目の前がホテルで、ちょうど信号を渡っていた。

家を14時20分に出発し、ホテルのチェックインは20時20分。信じられない6時間の旅。暗闇の中で迷子にならなかっただけ自分を褒めたいところだが、夕食は21時まで。フロントのお姉さんも気遣って下さり、部屋の案内等は後回しにして夕食会場へ案内してもらえた。

食欲よりも疲労が勝り、何となく夕食を食べて部屋へ行き荷物なんて適当に置いてベッドへ飛び込んだ。幸いにも、イベントは翌日の昼過ぎからだったので疲労に任せて休んでも大丈夫だと思うと一気に気が抜けた。

じゃ、俺温泉行ってくるね!と着替えとタオルを持ちとても嬉しそうな次男の声が、疲労困憊している私にはとても日本語には聞こえなかった。ぼーっとしながら温泉へ向かう子どもたちを見送った。

来たってことは、逆の手順をして、同じ思いをして帰るんだよなと着いたばかりで帰路を憂いつつ、翌日のイベントを楽しみにしつつ3人で眠りについた。

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