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掌編小説「ロナセンは救世主」

 私は、長らく、統合失調症という病気を患っている。
 クスリを飲まなければ、生きていられない状態になるので、仕方なく、好きでもないけど飲み続けていた。
 クスリの名前は、ロナセン、といった。
 このクスリを飲むまでは、幻聴がひどくて、毎日が地獄だった。というのも、幻聴の内容というのが、ひどい罵詈雑言なのだ。とにかく、死ね死ね、と言われ続ける。

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2,230字

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