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自粛生活で気づいた自分のこと。

新型コロナウイルスの影響で自粛生活が始まってから1ヶ月半。
この自粛期間で、今まで自分でも気づかなかった自分の特徴を知った。
それは、自分の持っている感覚が人よりも少し強い、ということだった。

HSPという「性格」

HSPは、Highly Sensitive Person の略で、その名の通り「人よりも繊細な人」のことを指す。これは1996年にアメリカの心理学者であるエレン・N・アーロン氏が提言したもので、アーロン氏は以下のようなチェックリストを作成している。

・自分の周囲の環境の変化にささいなことでも良く気付く
・他人の気分の影響を受けやすい
・痛みにとても敏感だ
・忙しい日が続くとベッドや暗い場所に引きこもり刺激から逃げたくなる
・カフェインに敏感だ
・明るい光や強いにおい、ざらざらなど特徴的な布地、サイレンの音に圧倒されやすい
・想像力が豊かで空想にふける
・騒音が気になり悩む
・美術や音楽に深く共感し心動かされる
・とても良心的
・仰天することが多い(びっくりする)
・短期間に多くのことをこなすとき、混乱する
・人が不快な思いをしていると解決方法がすぐにわかる
・1度にたくさんのことを頼まれるのはNG
・ミスや忘れ物にいつも気を付ける
・暴力的内容の映画やドラマ、テレビは見ないようにしている
・自分の周囲であまりにも多くのことが起こると不快で神経が高ぶる
・空腹時気分が悪いなどの強い反応が起こる
・生活の変化は混乱する
・デリケートな味や香り、音や音楽が好き
・日常、動揺する事態を避けている
・仕事のとき競争や観察の目があると緊張して実力が発揮できない
・幼少期、親や担任が自分を敏感だとか内気だと思っていたらしい
(引用:ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
エレイン・N・アーロン [著]・冨田香里 [訳] 講談社 / ソフトバンク文庫)

上記の23項目のうち、12項目以上が当てはまるとHSPの可能性が高いと言うものらしい。
HSPの人は人口の約20%、およそ5人に1人いるそう。HSPは病気ではなく、その人が持つ「性格」「性質」のようなもの、だそうだ。

自粛生活で気づいた自分の「感覚」

なぜこのタイミングでHSPに気づいたのかと言うと、自粛期間中家で過ごす時間が圧倒的に増えたからである。

わたしは実家で両親と暮らしている。全員がコロナの影響でリモートワークもしくは休業しているので、必然的に家にいる人が多くなる。それぞれが家の中で活動している物音が、自分にとってちょっとしたストレスになっていることにふと気づいた。

母がリビングで見ているテレビの音が部屋で作業している自分の耳に入り、集中力が半減する。父が洗面所で歯磨きしている物音が聞こえると、不快感で胃がムカムカしてくる。

自分の部屋はリビングから一番遠い。直線距離でも5mは離れているはずなのに聞こえてしまう。
洗面所は斜め向かいだから聞こえるのも分からなくはないが、両方の部屋のドアを閉めても聞こえてしまうので、自分の幻聴なのではと思うこともある。ドアを開けて確認すると、やはり歯磨きをしていて、安心するとともに「自分は地獄耳なのかな…」と思っていた。

そんなとき、わたしの友人がHSPの話をSNSに載せていて、「あ、わたし、これかもしれない」と思った。
HSPについて検索すると、わたしの「あるある」ばかりが並んでいた。というか、みんなそうだと思っていたことばかりが並んでいた。「みんなそうじゃないの!?」とびっくりしてこのことを恋人に話すと、「そんな風に感じたことはなかった」と、逆に驚かれた。

どうやら自分では当たり前だと思っていた感覚が、人よりも強いのかもしれないということを知った。

「言葉」と「音」と「光」

わたしの場合は上記のリストのうち19項目が当てはまるのだが、特に深刻なのが「言葉」と「音」と「光」である。

音に関しては上にも書いたが、思い返せば自粛期間前から、というか小さい頃からずっと、大きい音や強い光が苦手だった。
雷が落ちれば何も手につかず布団に潜り込んでいたし、緊急地震速報はそっちの音にびっくりして身動きが取れなくなってしまうから、携帯の設定はOFFにしている。外を歩くときはバイクやトラックの音も怖いから、音楽なしではほとんど一人で歩けない。映画館ではアクションものは目を閉じ、耳を塞いでしまう。もはや鑑賞できていない。笑

もう一つ、言葉に関して。
誰かが他の人の悪口を言っていると、まるで自分が言われているような気持ちになり、その場から逃げ出したくなってしまう。というか、大抵はその場を去ってしまう。
自分の知り合いに関して言われているのはもちろん、カフェとかで遠い席から全く知らない人に関する話が聞こえてきたときも、なかなか耐えることはできない。
その場から去ったあともどっと疲れが押し寄せてきて、しばらくは何も手につかなくなってしまう。

これまでは自分のことを行き過ぎた「ビビリ」だと思っていたが、こういう性質に名称がつけられていることに、ちょっとした安心感を覚えた。

HSPの強い味方「耳栓」

こんなタイトルをつけると耳栓がめちゃくちゃ強い武器のように見えるが、実際今のわたしにとっては最強のアイテムである。

他の人と同じ家で暮らしていれば、音が出てしまうのは仕方がないこと。自分でどうにかしようと思い音楽を聴くことも多かったが、音楽をずっと聴いていること自体刺激が強すぎて、疲れてしまう。

部屋の掃除をしていたら、数年前に入院していたときに使っていた耳栓が出てきた。そういえば入院していたときも、隣で寝ていたりご飯を食べていたりする人の音が気になって、母親に耳栓を持ってきてもらったんだっけか。
これは使えるかもしれない。

見つけた耳栓を使って作業するようになってから、前の集中力が戻ってくるようになった。この記事を書いている今も、耳栓をしている。
音をしっかり遮断することで、自分の頭が考えていることにちゃんと集中して向き合えるようになった。最近できていなかったことだから嬉しい。

HSPはきちんと向き合えば生かせる

今回自分がHSPだということを知って、名前があることには安心したけど、それだけでは気持ちはすっきりしなかった。

でも、この性質を知ることができたのは確実にプラスだと思う。
人より繊細ってことは、人よりもいろんなことを感じることができる。それが雷の強い光だったり緊急地震速報の音だったり、怖いもののときもあるかもしれないけれど、ほんのちょっとのそよ風を気持ちよく感じることができたり、花やフルーツの香りを人よりも楽しめるかもしれない。他の人が気づけないような何かを感じ、楽しむことができるかもしれない。

「わたしは○○です」みたいなことを言うと、「そうやって自分を何かの病気みたいに言いたいだけでしょ」っていう人が一定数いるのも知っている。
わたしもそう思われることは怖いけど、HSPについて知ってもらうきっかけになればいいな、と思う。

もし自分がHSPだってことに気づかずに苦しんでいる人がいて、その人の助けになるのであれば、どんなことを言われてもいいから、書こうと思った。
まあ、さっき書いたように、わたしは言葉に敏感だから言われたらちゃんと傷つくんだろうけど。笑

でもそういう意見も受け止めて、自分の性質も受け止めて、HSPだからできること、感じられることを楽しんでいけたらと思う。

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