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#まひろ

「光る君へ」第12回 「思いの果て」 機会を逃さない勘と貫く強い意思がなかった二人の恋

「光る君へ」第12回 「思いの果て」 機会を逃さない勘と貫く強い意思がなかった二人の恋

はじめに

 わかっていたその時がついに来てしまいました。互いにかの日の相手の気持ちに思い至り、自分の気持ちを整理できたときには、既に相手はそこにおらず半周先にいる…そんなもどかしさがありましたね。実際はボタンの掛け違いくらいの距離にまで近づいていたのですが、相手に期待するあまり、それが叶わず、勝手に終わったと思い込んだ二人は、圧倒的に言葉が足りていませんでした。

 大事なことは口にしなければ伝

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「光る君へ」第11回 「まどう心」 女の想いをすくい取れない男の身勝手とは

「光る君へ」第11回 「まどう心」 女の想いをすくい取れない男の身勝手とは

はじめに

 月は満ち欠けするものです。同じ状態のまま一定であり続けることはないというこの世の無常を表していると言えるでしょう。それは、その月を見て相手を想い続けるまひろと道長の恋も同様です。前回、結ばれた二人の想いは、哀しいけれど満ち足りたものであったのでもありました。
 煌々と輝く満月から光がちりちりと二人に注がれるシーンは幻想的だったと言えるでしょう。そして、この世を正さなければならないとい

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「光る君へ」第6回 「二人の才女」 政の要として暗躍する才女たち

「光る君へ」第6回 「二人の才女」 政の要として暗躍する才女たち

はじめに

 まひろの慟哭とも言える告白を受け止めた道長の真心…月夜の逢瀬をきっかけに二人の仲は急速に深まり、いよいよ本作のラブロマンス関係のドラマが本格化してきました。

 冒頭、泣き濡れて放心状態のまひろの目に映る桶の水の月に重なる道長の顔…その水に映った月をすくうというシーンがあります。実はこのシーン、物語後半で道長が選んだ七言絶句「下賜の酒は十分あるが、君を置いて誰と飲もうか。宮中の菊花を

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「光る君へ」第5回 「告白」 政に対する道長の資質と絶望

「光る君へ」第5回 「告白」 政に対する道長の資質と絶望

はじめに

 まひろが最も恐れていたことは、自分自身が母の死のきっかけを作ってしまったことと向き合うことでした。勿論、道兼がまひろとぶつかりそうになって落馬したことは不幸な事故でしかありません。また、ちやはの言葉に怒りを覚えた道兼のトリガーを引いたのは、道兼の従者の余計な一言でした。そもそも、まひろも被害者であり、全ての罪は身勝手かつ理不尽な理由で凶刃を振るった道兼にあります。

 それでも、生き

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