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2024年2月の記事一覧

「光る君へ」第7回 「おかしきことこそ」 平安貴族の常識の「おかしきこと」ってなに?

「光る君へ」第7回 「おかしきことこそ」 平安貴族の常識の「おかしきこと」ってなに?

はじめに
 そもそも、時代劇は、その時代っぽさがある現代語の世界です。現代語と古語的な表現が混ざり合っていることは不自然ではありません。特に「光る君へ」に登場する人々の心情は、現代人に近い心情です。寧ろ妥当な言葉遣いでしょう。ですから、サブタイトルを見て「おかしき」じゃなくて「をかしき」だろうと目くじらを立てるのは、言葉どおり滑稽です(笑)
 それでも、「おかしきことこそ」とは、何を指して「なんと

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「光る君へ」第6回 「二人の才女」 政の要として暗躍する才女たち

「光る君へ」第6回 「二人の才女」 政の要として暗躍する才女たち

はじめに

 まひろの慟哭とも言える告白を受け止めた道長の真心…月夜の逢瀬をきっかけに二人の仲は急速に深まり、いよいよ本作のラブロマンス関係のドラマが本格化してきました。

 冒頭、泣き濡れて放心状態のまひろの目に映る桶の水の月に重なる道長の顔…その水に映った月をすくうというシーンがあります。実はこのシーン、物語後半で道長が選んだ七言絶句「下賜の酒は十分あるが、君を置いて誰と飲もうか。宮中の菊花を

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「光る君へ」第5回 「告白」 政に対する道長の資質と絶望

「光る君へ」第5回 「告白」 政に対する道長の資質と絶望

はじめに

 まひろが最も恐れていたことは、自分自身が母の死のきっかけを作ってしまったことと向き合うことでした。勿論、道兼がまひろとぶつかりそうになって落馬したことは不幸な事故でしかありません。また、ちやはの言葉に怒りを覚えた道兼のトリガーを引いたのは、道兼の従者の余計な一言でした。そもそも、まひろも被害者であり、全ての罪は身勝手かつ理不尽な理由で凶刃を振るった道兼にあります。

 それでも、生き

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