メンタル治療中の恋愛は何も生まない

体調を崩してから2年、休職してから1年半が経つ。
4月からは勤務制限を解き「イチ社員」として新部署に行くので、自分としては「体調を崩した自分」から卒業できる心づもりで、「心身の健康が崩れている時」の恋愛を振り返る。

初期:びっくりするほど恋愛をするキャパが消える

異性への興味、恋人がほしいという恋愛への関心、性欲、とにかく減る。消える。むしろコンディションが良くないので「今、運命の人とか現れないでくれ。タイプの人とのチャンスが訪れないでくれ」と願う。
周囲のプライベート事情もまるで関心が持てなくなる。余裕がない。

恋人がいる状態の時に心療内科に通うことになった友人たちは、
・戻れるような実家がなく、むしろ彼に支えられる
・彼の本性が出て衝突が起こる
・彼とも実家とも波風は立たず、そこの関係に変化は起きない。病んだ原因のみ断ち切る。

といろんなパターンがあった。
元々恋人がいなかった私は、良くない方向に進んでいってしまった。

中期:過去、好きだった人の思い出にすがって再度好きになる

「調子が良くない時、落ちている時にする恋愛は良いものにならない」とはよく聞くが、本当に本当にその通りだ。ろくなことにならないのに、病気の状態で新しい出会いに赴く気力・体力が無いから、過去の相手に恋心をもってしまう。
これは、メンタル回復途中の人には本当に気をつけてほしい!

本当に、新しいエピソードがないから、延々と過去の人を脳内再放送してしまう。そうすると、今も好きなんだと思い始め、「現在の彼」をよく知らずに、ただ”存在”に執着し可能性を見いだそうとする。

今はだいぶ元気になったので、「相当盲目になっていたな。一体どこが良くてあんなに何ヶ月も、毎日思いを馳せていたんだ…???」と、滑稽さ自分で困惑する。
それは「暇だったから」だ。
「元気がなく、落ちている時」の恋愛も要注意だが、「暇なときに夢中になる相手」もまた、まやかしだ。「健康な恋愛」にはならない。恋心が”健康”じゃないから。

後期:欲求は戻るが、人間関係を築くパワーはないジレンマ

病院に行って診断が下って休職した直後は皆、どーんと状態が悪化する。何もせず、寝て少し食べての生活を少し過ぎた休職約半年後~からは、性欲や人恋しい気持ちが戻ってきた。でも「きちんと恋愛」するパワーはない。

制限勤務が始まったころ(復帰過程)は、休職が決まった頃とは違うつらさがあり、真夏なのに本当に寂しくて人恋しかった。
だが、恋人を探し交際にこぎ着くだけの気力・体力はない。
初めてアプリで遊びをした。性欲が満たされると副交感神経が優勢になるというが、本当に入眠しやすくなった。数日で効果は途絶えたが…

「ああ、病気になった時点ですでに交際してる人がいれば少し症状は変わったのかな」と、男性を「副交感神経を安定させるための手段」みたいに考えて、居もしない相手を「居ればなあ」と考えたりした。

恋人探しをハナから諦めて、遊びで手を打とうとしたが、中途半端な終わりになってしまったりと、全てがなあなあだった。

ずる賢いが、「病前にお断りした人たち、今アプローチしてくれたら…すぐOKするし、そしたらすぐ恋人ができるのに」という思いがよぎったこともある。元気な自分が、元気だからこそ(健康な思考で)妥協せずに断ったのに、病気時に求めるとは…図々しい。

ほぼ回復に向かっている現在

今は、会う気持ちも固まっていない人ととりあえず目的もなくチャットをするという、付け焼き刃なやりとりで自分をごまかす行動は辞めた。

元彼から「東京戻ったらご飯行こう」、休職時盲目に好きだった人からも(振ったくせに)「異動聞いたよ、ご飯行こう」と来たが、会うつもりはない。
「面の皮が厚いなあ。過去と記憶は消えんよ。私がアンタと飯行って美味いわけあるか」と思うぐらいには元気になった。どちらもブロックした。
遊びも、する気は起きない。もう「本当に好きなひととだけ関わりあいたい」という思いが固まったので、意に沿わないことはしない。

人間関係を見つめ直し自分を守る方法を身につける期間になった休職。
その中でも一番難しい”恋愛”でもがいたことで「飲み込まれずハンドリングするつもりで居るぞ」という姿勢を持てるようになった。

「恋愛がなくても十分幸せだけど、この人と恋愛したらさらに楽しい」
そういう健康な恋愛の大切さは、真逆の沼に陥ったことで身をもって分かった。



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