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失言一つで一発退場させちゃダメ


今思えば、なんて心が狭くて、なんてHSPの典型例みたいな受け取り方だろう…と苦笑いしてしまう。

上京したての大学1年、英語の授業で隣になった、実家通いの男の子に
「沖縄からってすごいよね~。やっぱり仕送りがあるの?」
と聞かれた。
これまでの貯金を定期的に母から振り込んでもらっていたので「うん」と答えた。

彼は「うわーー。いいなあ!」と言った。
私は東京の怖さやマンモス大学に通う心労、言葉や文化の違いやらで、実家から通う学生がまだ異星人に感じでいたときだった。
実家から通ってるやつはバイトすりゃいいじゃん、仕送りと親は等価交換じゃないわ、etc…

心の中でひどい悪態をついたが、実際には適当に微笑して終わった。
何日かモヤモヤが消えなかった。

また、同年の冬、胃腸炎になった。
高校でも2回経験済みだったので、もう体質なのだが、おかゆを持参した私を見たクラスの女の子が一言
「え、どうしたの。胃腸炎?いいじゃん痩せれるじゃん」。

本当にびっくりした。病人に「痩せるチャンス」、あまりに私にはない視点だったので、この時も「そうだね…(心ここにあらず)」で会話を終えた。
親がいない中での胃腸炎が18歳とはいえどれだけ心許ないかーー。
この子も実家から通学していた。

私はこうやって、人の言葉尻に敏感になりそれを引きずる癖があった。


でも、自分も同じだけ人に失礼な発言をしてきたこともまた事実。それに気付くのは遅かった。恥ずかしい。

社会人一年目、配属先の先輩の彼女がマッサージ師と飲食を掛け持ちしていると聞いた私は、悪気なく
「え!マッサージ師なんですか!マッサージしてもらえるじゃないですか!いいですね~」と言ってしまった。先輩にも、彼女である人にも失礼すぎる。
23歳の私は発言時に言葉の軽率さに気づけず、「あれって相当失礼やん!!!!!うわー最低。取り消したい!」と頭をかきむしったのは数年後。

先輩は当時30歳くらいだったので、怒らず
「いやあ、向こうは仕事だからねー。頼みづらいよねえ」と流してくれた。それはとても覚えている。今は、この先輩の人格がどれほど出来ているのかアラサーとして手に取るように分かる。
そして、先輩は発言後から現在まで変わらず、心配したり呑みに行き続けたりしてくれる。
彼女は奥様になっている。

私も、大学1年の時にむかつく発言をしてきた同級生2人に対して、今は全く怒りや不信はない。むしろこの年齢になってみると、確実に性格の良い人間に入ると分かる。


最近、有名人は発言1つで嫌われたり、発言が一人歩きしてデジタルタトゥーになったりしている。
でも、自分たちの学生時代のツイートやインスタの投稿を遡ってみてほしい。
目も当てられないくらいにイキっているしダサいし、みんなもれなく承認欲求がチラ見えしている。あー学生だなwって、ウエッて、なる。笑

今、学生をしている子たちは相当大変だろう。コロナにSNSにあまたのAI、ITの進歩…
自然に垢抜ける前から容姿の差の現実を見ることになり、自然に言葉遣いが変わる前から周りと比較した自身センスの有無を突きつけられる。

もっと、ダサい時期や失礼なガキ時代が私たちのように許される世の中だといい。
言動一つで嫌われたり仕事が来なくなったりする”一発退場”の世の中は、結局みんなで首を絞め合っているだけでは、と思う。


※前時代的発言、差別発言はいつ何処でも許されません!そこは私たちで取り締まり未来を守りましょう

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