高い洋服を買う意味がない

30も半ばだというのに、しまむらで1400円の上下セットのパジャマを買うのに30分くらい悩んだ。は?パジャマで1400円?高すぎだろ?と主婦が行き交う通路を何度もウロウロした。

洋服はGUかユニクロ、無印、あとZOZOでしか聞いたことのない謎の激安ブランドでしか買わなくなった。高い服を買っても意味がないから。ご飯こぼしてすぐ汚すし、高い服はビビって気軽に着られない。1400円のパジャマならソースもケチャップもこぼし放題。スペインのトマト祭りにだってすぐに参加できる。

もちろんブランドを身につけるとテンションがあがるというのは理解できる。私にもその感覚はある。なんだか強くなって誇らしくなった気持ちになれる。悟飯がナメック星でサイヤ人のスーツを初めて着たときの感じでしょ?わかる、わかる。

あと、物事を金額でしか判断できない人に「これバーバリーだよ」と言っておけば、「おしゃれだね、やっぱバーバリーいいよね」と有無を言わさずおうむ返しさせることができる。ブランドには他人を黙殺できる便利な機能が付いている。

あくまでわたしは全員が高い服を買う意味がないと言っているわけではない。ブランドが好きだったり、おしゃれが好きだったり、洋服を着たりすることでテンションがあがる人はむしろ買うべきだ。気持ちがあがるものにはどんどん金を使った方がいい。そのために我々は働いているのだから。

あと単純にブランド品は質が良いから長持ちするため、ランニングコストで考えると安くなるという側面もある。将来的に高く売れる可能性もあるしね。

ただ、やっぱり私には高い服である必要がない。20代の頃は意味もわからずブランド品を買うことがあったが、周りに流されてなんとなく買ってるだけだった。

「20代半ばだったら」「年収が⚪︎円だったら」みたいな謎の強迫観念で服を選んでいた。

でもやっぱりこの歳になって改めて布は布だなという以上の感覚にはならない自分がいることに気づいた。もちろんブランド品には歴史があってストーリーがあって機能性も優れていることは理解できる。ただやっぱり私にとっては布だ。

この考えがいつか是正されることがあるかもしれないし、このまま変わらないかもしれない。

ただこの状態で、「大人だからなんとなくブランドの洋服を身につけておこうよ」という脳内で生み出したわけのわからない概念に従わなくてもいいかなとは思っている。興味の触手が動かないことにお金を使うのは無駄である。

将来的に買いたくなったときに良い布を買えばいい。それまで私はしまむらのパジャマを着て生きていければ充分である。

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