母が死んだ。~三夜目 置かれた場所で咲けていたなら~
母が倒れた連絡を受けてから四日目の朝だった。
暑さと不眠と掃除と片付けの日々がいつまで続くのだろうか。
この日も朝四時ごろから起きていた。
早朝からすでに暑くて気持ちをげんなりさせた。
この日の記憶はあまりないが、午前中と夕方に二度病院に行った。
何故2回も病院に行ったのか。
そうだ、親戚が病院に来るから、と連絡が来たからだった。
家族の疲れもピークだった。
病室で会った母は、日に日に穏やかな顔になっており本当にただ安らかに眠っているようで、いい夢でも見ているようだった。
意識がある人のほうが苦悶の表情で眠っていることがあるほどに感じる。
母の前で、みんな無言だった。
「こっちは全然眠れてないのに、ぐっすり眠ってる感じでうらやましいよね」
と冗談めかした発言をしたら、二人とも苦笑いした。
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