見出し画像

後悔は糧になる | 読書感想文『流星ワゴン』

お先真っ暗、という言葉がこれほどまでにしっくりくる序盤。仕事、家庭何もかも失い絶望感に覆われる。

人生やり直しはできないけど、生きてりゃなんとかなる、そんなことをストーリーに触れて考えるきっかけになるし、そう思えてくる。

人生、結局のところ今を生きるしかない。
気づいた時からやり直す。
今日も前向いて生きていこう。
この瞬間を後悔ないように生きようと思った。

だって未来がどうなるなんて分からないけど、いい方向に進むようにしていくしか方法はない。

重松清さんによる銀河鉄道かな。現代風に車になり流れ星になるというのもユーモアたっぷりで面白い。

私はおかげさまで流星ワゴンが迎えに来るほど絶望の毎日ではない。とは言え人生の岐路に返ってみたいなぁ、と思うことなんてたくさんある。

特に中・高校時代はちゃんと勉強しておけばという後悔の念は今も強くある。あの時勉強しないと大人になってからでは手遅れ。学歴の区別がこんなにも明確だとは社会人になるまではずかしながら知らなかった。加えて大人になれば勉強以外に背負う責任が増えたくさんやるべきことがある。

でもこの本に出会ってからちょっと見方が変わる。もしかしたら過去の失敗や後悔を経たからこそ、今の自分があるのかな、と負の面はもしや人生の糧になっているのでは無いか。若い時に遊び呆けていていざ就職活動となって現実の厳しさを知り、無知により恥ずかしい思いを何度も経験して後悔を経験したからこそ、今自分を律して少しでも正しい方向にしようと努力ができているのではないか、そんな風に過去の後悔を前向きに捉えることができるようになった。

まあ歳の力は大いにあるし、結局は自分の都合の良い解釈だと思う。でも前向きに捉えるというのは何事をやるにも力になるし、何より生きていく上で活力になる。だから今はいい状態だなと思っている。そういう気づきを得られるのも、読書の楽しさだ。

今後、壁にぶち当たることもあるだろう。そんな時はまた流星ワゴンに触れて人生前を向いて生きられるよう力を貰いたいと思う。

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?