見出し画像

感動こそ価値 | Biz書日記『ドリルを売るなら穴を売れ』

ドリルメーカーの宣伝文句かと思いきやマーケティングでは有名な言葉だということを知る。この本はタイトルでもズバッと言っている通りマーケティングって何?ということをストーリー仕立てで理解できる入門書。

題名の意味はまさに顧客はモノではなく、そのものが生み出す価値に対して対価を払うんだ、ということが分かりやすく説明されている。

舞台がイタリアンレストランというのも絶妙だ。おそらく実際のクライアントの案件を基に作られたと思う。だからこそとてもリアルに感じられる。

この物語で出てくるフレームワークの一つであるマーケティング・ミックス、4Psは結構実践の場で活用。商品の販促戦略を考えるだけで無く、営業の活動計画や顧客分析でも、4Psを抑えると何となくイメージが湧いてくる。そんなマーケティングの楽しさみたいなものに触れたきっかけになった。

サービス軸か価格軸か製品軸かという視点で自社、他社を捉えるというのも「早・便・美味い」というユニークな表現を用いて説明されており、今でも印象に残っているし活用している。

価値の分類として、マズローの欲求5段階説ではなく、アルダファーのERG理論をもう1段階噛み砕き、生存欲求、社会欲求、自己欲求とシンプルに解説。内容に加えて、この著者のシンプルに解説する術に触れられることもこの本のベネフィットだと感じた。

私は学生の頃とにかくものづくりをしている会社、メーカーで働きたいと思い、メーカーに就職。その背景はメーカーの強みは商品力、そしてその商品を生み出す技術力やノウハウだと思い込んでいたから。でもメーカーの立場になってみると、他のメーカーでものづくりよりも魅せ方=マーケティングによって確固たる地位を築いているメーカーの多いことを知る。ここで初めてマーケティングの力というものを思い知る。

商売は、感動を与えることである。
松下幸之助の格言

松下幸之助さんは上手いこというなぁ。私ももっとマーケティングを勉強してささやかながらも感動を与えられる力を磨こうと思う。

この記事が参加している募集

ビジネス書が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?