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本が好き、その想いだけで書く文章たち。
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2023年2月の記事一覧

本を贈ろう

誰かに本を贈るのは、難しい。 本は、個人的なものだと思う。どんな本を読むかは、その人がどんな考えを持ち、どんな生き方を選択しているかに直結する。 相手が喜んでくれる本、相手が望む本は何かを考え始めると、あっという間に時間が過ぎる。本を贈るためには、相手のことをよく知らなければならない。この世に無数に存在する本の中から、ぴったりの一冊を見つけ出すのは、非常に難しい。 でも、誰かに本を贈るのは、素敵なことだ。 幼い頃に読んだ絵本のことを大人になってもずっと覚えている、とい

「読みたいのに読みたくない」あの現象について

読みたいのに、読みたくない。 この矛盾した感情を、抱いたことがある方はいらっしゃらないだろうか。 私は2021年から2022年にかけて、小野不由美さんの「十二国記シリーズ」にハマっていた。 これまで読んだことのないタイプのファンタジーに衝撃を受け、独自の世界観にズブズブとハマった。最新刊の『白銀の墟 玄の月』まで、感動と興奮の連続だった。 とにかく面白かった。面白かったのだが、その一方で、「読みたいのに読みたくない」というあの現象に、常に付き纏われてもいた。 「十二

【2023年版】#名刺代わりの小説10選

2023年が始まって、早くもひと月が経った(信じられない)。 今年も、「#名刺代わりの小説10選」を更新しようと思う。 こういう選書企画は、あれこれ悩みながら本を選ぶ過程が、とにかく楽しい。 いつも時間はかかってしまうが、自分が好きな小説とは何かを見直す機会として、毎年続けていきたい習慣だ。 2022年版 #名刺代わりの小説10選まずは、2022年版の#名刺代わりの小説10選を振り返りたい。 (私にとっては)錚々たる顔ぶれが並んでいる。学生時代から現在まで、私の読書