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3歳の娘が隠れ弱視だった話 10-1.土砂降りのなか受け取りに行く(前編)

こんにちは。近藤ろいです。

今4歳の上の娘は弱視治療をしています。
「遠視性不同視弱視」といいます。

左目が強い遠視であまり見えておらず、治療をしなければ将来眼鏡をかけても視力が出ないかもしれない状態です。
普通の3歳児健診で発見されました。

今回は、見つかった時~治療が定着するまで のうち、終盤の話題。受け取りに行く話です。
長くなったので前後編に分けました。
治療とは直接関係ないのですが、「眼鏡を受け取りに行く」という簡単なくくりの育児の裏にかくほどにも母親は泥臭いしんどさを体験しています、ということを残しておきたくて。

何としても今日眼鏡を取りに行きたい

眼鏡自体は無事に予定通り、1週間ほどでできました。

前回の記事でも書いたのですが、金曜日の夕方に出来上がるので、保育園降園後にバスに乗って取りに行けば、翌日の土曜日の診察に間に合います。
逆に言うと、最短で行ける診察日に間に合わせようとすれば、金曜日の夕方に取りに行くしかない。


ところがその金曜日は生憎の雨でした。それも1時間に15〜20mmという土砂降りの雨。
16時にはあがるという予報が、朝から段々17時まで、18時まで…と延びてゆき、結局20時頃まで降り続きます。

どうしようもない。

腹をくくって生後6ヶ月の赤ちゃんを抱っこひもに入れ、ミルクとおむつと上の子のおやつといった通常のお出かけ装備に加え、上の子の長靴やタオルなどもリュックサックにパンパンに詰め込んで家を出ます。

保育園で娘と合流すると、土砂降りの中彷徨う羽目に

バスで保育園に到着した時点で既に私のズボンは膝下まで湿りきって辛いけど、家に帰ってパリッと乾いた服に着替えることはできません、。

むしろここからが本番です。

娘と赤ちゃんと3人、傘を差して土砂降りの中を歩きます。
保育園からバス停までも少し距離がある上に、子どもの足に合わせていると、本数の少ない直通バスを逃してしまいました。
心折れてタクシーを拾おうにも、雨なので全く捕まりません。


近くの別のバス停に向かって、別ルートのバスに乗るか?
しかしそのルートでは、バスを降りてから15分ほど歩かなくてはいけない。眼鏡店のあるショッピングセンターは、普段は行かない地域にあるので、私も土地勘が無いし…。

どんどん暗くなる夕暮れ、土砂降りの中、赤ちゃんを抱っこし3歳の子どもの手を引きながら、自分も寝不足の中判断を迫られます。

身を削られるような思いです。


迷ううちに、最初に予定していたルートのバス停にたどり着きました。バスがすぐに到着したのと、座れたのがせめてもの救いです。

無事受け取れたけど…それだけでは終わらない

眼鏡は受け取り、フィッティングするだけなので、ものの10分で済みました。眼鏡店な感謝。

これから始めるわが子の眼鏡生活。1ヶ月前には想像もしていなかった…。

幸い娘本人はやる気。そのモチベーションが少しでも続くよう、ディズニープリンセスのメガネケース約2,000円也にも気前よく財布を開きます。
本心はトホホ…大事にしてよ…ですが。


赤ちゃんに授乳をして、待っている間に娘にはアンパンマンの自販機で売ってる紙パックのジュースなんかを買ってやり(特別よ)、せんべいを母子二人で分けて、みんなで少し元気を取り戻しました。

さて帰ろうと思ったが、娘が夕食のおかずに唐揚げをご褒美で買ってほしいと言う。

土砂降りのなかを帰る直前に、唐揚げ買えとな。

子どもなりに新しい眼鏡生活を頑張りたいと思っているのでしょうか。

仕方がない。
もう疲れたので今晩は大人の分もお弁当を買おう。そうだ明日のパンも手薄だった。

時刻は18時過ぎ。夫は毎日20時にならないと帰宅しない上に、パン1つ頼んでもなぜか20分かかる人です。かなり混んでいるけど、このショッピングセンターで買っていってしまった方がいい。

土砂降りの中、また彷徨う

何とかレジを済ませ、今度こそバスに乗ろうと外に出ます。残念、夜には上がると言われていた雨はまだ勢いよく降り続いています。

しかも、人の流れに任せて外に出たら、帰りのバス停の方角を見失ってしまいました。
建物南に出るべきところを西側に出てしまい、さらに南に戻ろうとして北に進んでしまったようです。

癇癪持ちの娘も、あまりの雨ふりに無言でついてきてくれます。
そんな3歳の娘と赤ちゃんに、ごめんねごめんねと謝り続けながら、何とか自宅に帰れるバス停を探します。もちろんタクシーなど捕まりません。


雨の中、辺りは真っ暗。手を引いて歩かせている3歳児も自分も、体力は尽きかけています。
赤ちゃんは泣きもせずに抱っこ紐の中で大人しくしているのが逆に心配。

こういう、体力も気力も底の底まで尽き果ててもなお子どもをかばいつつ、状況に立ち向かい続けなければならない時が子育てには確かにあると思います。

そして圧倒的に母親がやられる事が多い気がします。

こんな時は、もうお母さんやめたい、この責任から逃れたいとすら思ってしまうのでした。

(後半へ続く)

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