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「やる気スイッチ」を全力でオフにしている犯人は?

タイトル:

 思春期の子をやる気にさせる親のひと言

キーとなる言葉解説:

 
 肯定プラス提案:現在している努力を肯定しつつ、他の提案もする方法。

 ポジティブな勘違い:できている箇所を褒めて、子供の意欲や向上心を引き出す。

 間違えてもイイ日:計算を間違えてもいい日を作ったり、遊び心を出すと、勉強に楽しみを感じられたりする。

 やる気の表し方:外交↔️内向、広い↔️狭い。の2つの軸で表現すると、個々のタイプが見て取れる。

 優位感覚:人によって違う、覚えやすいルート。

 塗り絵タイプ:努力をしたエリアが確実に実ってくタイプ。結果が見えやすい。

 重ね塗りタイプ:何度も繰り返しで覚えていくタイプ。結果がすぐに反映されずに、叱責されやすい。

 コピーング・クエスチョン:困難な時に実践した対策を質問をするが、答え自体よりも、相手の自己を承認することが目的の質問。

 作文セラピー:進学先での生活をインタビューしながら聞く。作文のベースとなる内容なので、子供たちは自分の素直な気持ちや言語化できていなかった希望を言ってくれる。

本の要点:

 宿題に手こずる子供たち。良かれと思ってリマインドして、今度は親子関係で手こずる。そんな悩める保護者に、ちょっとしたアドバイス。ショート・ショートなマンガを交えつつ、個々のケースを解説していきます。
 
 対象となる子供は、小学校3,4学年生から高校生。勉強も徐々に難しくなり、対人関係も複雑化してくる頃ですね。しかも子供は保護者に、もうアレコレ話してくれません。そんな状況での関わり方や、マインドを提案してくれます。

良かれと思って、な習慣

 良かれと思ってアドバイス。でもソレは完全に、逆方向に響いてた。
 あるあるですね。

 そんな時は子供の努力を全力で肯定しつつ、他の提案を入れてみると、良い方向に響いてくれるかもしれません。
 子供からしたら、保護者からの一言って想像以上に重くのしかかってきてるんですね。保護者としては気軽なコメントだったけれど「こっちの方がイイよ」などは、暗に「そっちは良くないよ」と子供の努力を否定してたんだなと反省。

 テストの点数を見て、マルはスルーして、バツのついてる箇所を確認。
あるあるですね。でも敢えてソコは指摘せず、あっている箇所を全力で評価する。
 理解している内容を把握して、彼らの意欲や向上心を引き出す。つまりは「ダメ出し」をしないってコトですね。息を吸うように「ダメ出し」をしてしまう保護者の習慣こそ、子供のやる気スイッチをオフにしていた訳です。

ほとんどの子供は間違えることをマイナスなことだと認識しているので、間違いを恐れるようになってしまいます。
この認識を変えたいのです。
(本文抜粋)

 大人だって、凡ミスしたら残念な気分になります。子供だって同じです。いちいち凡ミスを指摘してやる気を削ぐよりも、茶目っ気に変えて

「今日はミスしてもイイ日」
「2、3問の計算ミスをする日」など、

 勉強に楽しめる要素を取り込んであげる。トリッキーな方法を織り交ぜ、面倒な宿題や数をこなす計算問題でも、その子に合ったゲーム性を少し入れるだけで変化が出てくる。かも。

 というのも、子供たちの性格や趣向、年齢によって差異があるトッピングな気がします。我が子にフィットしたゲーム性を探求する。保護者に課せられた「宿題」かもしれませんね。


やる気の表し方

 古典的マンガ表現では、やる気に満ち溢れると、目玉が炎上してますね。まれにキャラクターの背後まで大火事になってたり。でも実際、やる気って見えません。

私たちはよく「やる気がある」「やる気がない」と言いますが、そもそもやる気のあるなしをどのように判断しているのでしょうか?
(本文抜粋)

やる気って、どんな風に推し計ったら良いのでしょう?

[やる気の表し方]
2つの基準軸。外交↔️内向、広い↔️狭い。
 
 外交的:やる気でると、即行動なタイプ。
 内向的:やる気でると、情報収集から始めるタイプ。
 興味や行動が広い:行動範囲が広く、興味を持つジャンルも多い。
 興味や行動が狭い:行動範囲が狭く、興味を持つジャンルが固定。

外交+広い:即行動。人々への声かけも忘れない巻き込み型。

外交+狭い:即行動で超集中。

内向+広い:マルチタスク。複数ジャンルに興味を持ち、広く情報収集。

内向+狭い:1つを極めようと、深く慎重に情報収集。

 目玉が炎上しているタイプは、きっと外交+広いな方々ですね。子供が何に情熱を持って取り組んでいるか。保護者の観察力が問われていると言っても、過言ではない、耳の痛い話です。
 まずはダメ出しをしないで、子供の話を静かに聞いてあげるのが、はじめの一歩なのでしょうか。

 聞いて覚える子供も、書いて覚える子供もいます。優位感覚と呼ばれ、得手・不得手な分野を形成する一因になってるかもしれません。子供の話を聞くことで、彼らが「視覚」「聴覚」「体感覚」のどの感覚が優位なのか、見当をつけてみましょう。不得意な分野には、優位な感覚を生かした勉強法を探す。
 優れたメソッドは、きっと将来の勉強法にも繋がっていくでしょう。

 ただし即結果を求めるのは、やる気を弱めてしまいます。努力がすぐに実を結ぶタイプもありますが、地道な繰り返しで獲得していく子供も、確かに存在します。その子なりの成長を、ダメ出しせずに根気強く見守り、ステップアップを共に喜ぶ。とても理解できるけれど。。。育児には、チートなどありませぬ。

共感すること

 子供たちは、既に一生懸命生きてます。彼らなりの解決法で。対人関係や進路など、すぐに答えのないテーマも、頑張って対処法を獲得しています。

 でも保護者は蚊帳の外で、全く分かってないコトって多いですよね。ちょっとグチられるとか、ため息と共に自室に消えていく彼らから、一体何を汲み取るんじゃ。と反論したくなりますが。

 保護者じゃなくてもイイので、子供の話を聞いてくれる相手を探してみるのも良いそうです。そしてその時に使って欲しいのが、コピーング・クエスチョン。

「そんなに最悪な状態なのに、よく投げ出さずにやっているよね。いったいどうやってそれに対応してきたの?」
(本文抜粋)

 この問いかけは、質問よりも子供の努力を承認するのが目的です。自分の努力に気づかせる、その努力に共感する人がいることで、彼らのメンタル的な負担は軽くなるのではないでしょうか?

 進路の悩みは、軽くなることはありません。社会人になったって、転職だ起業だクビだ。進路って、しょっちゅう悩む問題です。

 そんな時は、作文しましょう。
 作文セラピーは、子供たちに進学先での生活をインタビュー形式で細かく聞いていき、作文のベースとなる内容をまとめていきます。具体的な生活や将来を想像させて、素直な気持ちを言語化していく作業。
 フワフワ雲の上のお話だった進路が、次第に新生活の視界がクリアになっていく、一端となるでしょう。

 こんな素敵な方法を知ると、毎度の直球勝負な

「何したいの?」
「どこ行きたいの?」
「しっかりしなさい」

結局ダメ出しな保護者の、センスのなさが際立ちますね。
海よりも深く反省。

ターゲットとしてる人達:

 小学生から上の年齢のお子さんがいる方々
 教育関係な方々
 小学校3,4学年生~高校生のお子さんと接する機会の多い方々

心に刺さった内容:

 「少し先のゴール」を描くと、すべきことが明確になる
 (p206)

  めっちゃ共感します。
 イマ現在の成績や態度で、子供を断罪すべきではないですよね(しちゃいそうになりますが)。
 成長過程の彼らを、その場その場で憂いていたら、子供の自己肯定感もやる気も向上心も消し飛ぶのね。保護者として、子供のメンタルをズタボロにするのがゴールじゃないです。ダメ出し役ではなく、道案内役に徹しよう思いました。

読了日:

 5,6年くらい前

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