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探してみよう!身近なものにある点字、そして見えない人のことを考えてみよう

国語の授業や、総合の授業なんかで、身の回りにある点字を探している小学生向けの記事です。もしよければ、「点字ってなに?どこにあるの?」も読んでみてください。

点字って?なに?誰のためにあるの?

この記事を読んでいるみなさんは、あのツブツブしている点字をもう知っていますよね。

点字は目の見えない・見えにくい人が、指先でさわって読む文字です。

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(画像は記者撮影より)

そして、探してみれば、意外と家の中に点字のあるものがあったりするんです。

というわけで、さぁ探してみましょう。

点字を探す前に

今までに点字を見かけたことやあのツブツブにさわったことのある人もいるかもしれませんが、読んでみた人は少ないと思います。

発見するだけでなく、なんと書いてあるのかを読んだ方が、いろいろ考えるきっかけになると思うので、ぜひ点字一覧を手に持って探しましょう。

点字一覧表は日本点字図書館のホームページにあります。

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(画像は日本点字図書館より)

読むときは凸面から探さないといけないので、注意してください(ちなみに点字器で打つときは凹面を見ながら打ちます)。

家の中の点字を探してみよう

家の中のどんなところに点字があるのでしょうか?今まで見かけたことはありますか?

答えを言ってしまうと面白くないので、ヒントだけ。

台所の冷蔵庫の中や調味料

家電製品(点字の文字が省略(しょうりゃく)されて短くなっているものもあります)

ウォシュレット付きならトイレ

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(画像はいらすとやより)

見つけたらなんて書いてあるのか、点字一覧表で解読(かいどく)してみましょう。

家の外にある点字を探してみよう

家の外にもいろんな場所に点字がありますよ。これも実際にいくつか行ってみて、自分で発見すると面白くなってきますよ。

こちらもいくつかヒントを紹介します。

駅(いろんな場所に点字がありますよ)

郵便局

コンビニやスーパー(点字ある商品が売っているかも)

エレベーター

トイレ

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(画像はいらすとやより)

もちろん、これらのヒント以外にもいろんな場所で点字を発見できます。中には点字のメニューがあるお店もあるんですよ。

見つけたらなんて書いてあるのか、点字一覧表で解読してみましょう。駅や郵便局では長い文章もありますので頑張って解読してください。

点字を打ってみよう

点字を打つには点字器や点字盤という道具が必要になります。

日本点字図書館わくわく用具ショップでは、はじめて点字を学ぶ人のためのテキスト、点字を書くための点字器、点字用紙などがセットになった、「点字にチャレンジ!バラエティセット」(2,220円)が販売されています。

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(画像は日本点字図書館わくわく用具ショップより)

日本点字図書館ホームページには、動画で覚える点字器の使いかたの紹介もあります。

また東京にある日本点字図書館のオープンオフィスをはじめ、各地の点字図書館や図書館、盲学校(視覚支援学校)、福祉施設などで点字体験をしていることもありますので、興味があれば調べてみてください。

見ないとはどういうことか

もし夜中にトイレに行きたくなったとき、寝ている部屋からトイレまで真っ暗のまま歩いて行けますか?

慣れればいけるかもしれません。だってみんなお風呂で頭を洗うときは目をつむったまま洗っていますよね。どこに何があるかわかっていて、さわって確認できるなら、意外といけるものです。

見えない人も慣れたところならスイスイ移動します。盲学校(目の見えない・見えにくい学校)でも、子どもたちはスイスイ歩き、廊下を走って注意される子もいてます笑。

でも慣れないところは、いろいろなことがわからないので慎重になります。はじめてのトイレだと、手洗いはどこか、個室はどこか、ペーパーはどこか、流すボタンはどこか、わからないのです。

見えないというのは、なにもわからないということではありません。わかればできることも増えるのですが、見えないので、言葉や音を聞いたり、手で触ったり肌で感じたり、鼻でにおわないとわからないということなのです。

なので見えない人と話す場合は、いろいろなことを言葉で伝えたり、さわってもらって確認することが大切になります。

見えない人の立場になって考えてみよう

さて、いろいろな点字を発見した方もいるかもしれませんが、次は目をつむって、家の中で、駅で、トイレで、郵便局でさわってみましょう。

すぐに点字をさわれましたか?点字は指先で読む文字なので、当たり前ですが、どこにあるかを確認して指先でさわらないと読めません。

だからせっかく点字があっても、そこに点字があることを知らなければ、気づかなければ、さわらなければ、その点字はないものと同じなのです。

それと点字のある商品の多くは、種類まで細かく説明されていません。「そーす」「じゃむ」だけで十分でしょうか。僕ならとんかつソースかウスターソースか醤油かポン酢か区別してほしいですし(コロッケにソースはかけてもポン酢はかけませんよね?)、ジャムも何味か教えてほしいです。

こんな風に見えない人の立場になって考えてみると、どこに点字があったらいいか、どんな風に点字があったらいいかも考えられるかもしれません。

また見えない人への配慮として、点字だけでなく、いろいろな音声の工夫や、さわってわかる工夫もあります。

どんな音が声での説明があったらいいでしょうか、さわってわかるためにどんな工夫ができるでしょうか、どんな便利な道具があったらいいでしょうか、そんなことも考えてみてはどうでしょう。

いろんな人が一緒に生きる社会

点字からスタートして、見えない人のことをちょっと考えてきました。

目が見えないことは大変なことですが、なにもできないということではありません。いろいろな工夫やまわりのひとのサポートがあればできることも増えます。

障がいってなんでしょうか?目が見えないことは障がいになるかもしれませんが、白杖(はくじょう、見えない人がもつ白い杖)や盲導犬、一緒に移動してくれる人がいれば、どこか行きたいところへ行くという障がいはなくなります。

世の中が変われば、障がいは障がいじゃなくなるかもしれません。

それは見えない人だけでなく、聞こえない人も、車いすの人も、文字が読めない人も、妊婦さんも、赤ちゃん連れの人も、病気の人も、ケガで松葉づえをついている人も、外国からきて日本語がわからない人も、どの人に対しても同じです。

日本の社会が変われば、いろんな人がいて、みんなと共に生きていく社会になるためにいろんな工夫ができたら、みんなが生きやすくなりますよね。

そんな社会をつくっていくのはみなさんです。

この社会にはいろんな人がいます。

いろんな人のことを知っていたら、体験したら、いろんな工夫がわかりますし、工夫があればできるようになることがたくさんあります。多くの人が工夫を知っていたらできることや場所はどんどん広がります。

点字をきっかけにそんなことを知って、みんなでどうしたらいいのかを考えてくれたらありがたいなぁと思います。

社会をつくっていくのは、僕やみなさん一人ひとりの人間なのですから。

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(画像は交通バリアフリーから共生社会を考えよう!より)


表紙の画像は富山市ボランティアセンターホームページより引用しました。