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書籍紹介『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?』

『「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?(平熱)』という本の紹介です。


平熱先生の2冊目の本が出ましたよー

以前に平熱先生の処女作『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』について記事で紹介しました。

その記事からもわかるように僕は平熱先生の大ファンです。2冊目の話を耳にしてすぐにAmazonで予約しました。もちろんです。

僕が平熱先生を知ったのはTwitter上でのこと。平熱先生のシンプルでユーモアあふれる、それでいて支援教育の核心をつくようなツイートを見て痺れました。

今回の本はそんな平熱先生の集められた珠玉のツイートとご本人による解説、さらに平熱先生のアイコンを描かれたメイ ボランチさんの書き下ろしイラスト付き…まさにファン必読の1冊ですよね。

こんな感じです

(画像はLITALICO発達ナビより)

販売日が近づき、平熱先生のツイートやnote記事、早くも手元に届いた方のツイートを見てワクワクして過ごしていました。

いろんなキラキラした宝物のようなツイートをご紹介

僕自身は仕事や家庭の関係でツイ廃…というほどはTwitterを覗いていません。

タイムライン上には平熱先生のツイートが流れてきますが、知らないツイートがいくつもありました。

前著『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』を読んだときもそうだったのですが、発想の柔軟さや、懐の広さ、ゆるく、ユーモアを含んでいて、でも、とってもわかりやすく考えられた特別支援教育の伝え方、そして僕自身も度々用いる童話『北風と太陽』の太陽のような子どもたちが自然とそうしてしまうような暖かく工夫された関わり方などにとても共感します。

ここからは本に掲載されているお気に入りのツイートを紹介していきます。

自己肯定感は伸ばさなくてもつぶされなければ伸びる

(画像はLITALICO発達ナビより)

僕たち周りの大人は子どものことを気にしすぎて嫌がることや苦手なことを強引にやらせてつらい気持ちにさせたり、子どものやる気や興味を潰していないでしょうか。

「やろうと思って、できなかった」の「やろうと思って」だけでもほめてあげたらいいんじゃない。

子どもを怒る理由が「こっちの思うようにいかない」になってないか気をつけようね。

鳥に海の泳ぎ方を教えませんように。
魚に空の飛び方を教えませんように。

子どもが筆箱を落として、中身が散らばった。
このとき大事にしたいのは「まずは」この子自身がすべてを拾おうとすること。「つぎに」まわりの手伝える人は手伝ってあげること。
そして、なにより手伝わなかった(手伝えなかった)子どもにネガティブな印象を抱かないこと。

責任とやさしさは別の話だよ。

Twitter@365_teacherより

子どもたちには、好きなことや、やりたいこと、夢中になることの種をそれこそ山のように待っています。もちろん周りの大人の期待する種が芽吹くかなんてわからないんだけれども。でもいろんなことに興味があることは、そこからどんどん広がっていくかもしれない(以前した漢字嫌いで魚好きな子が魚の漢字に興味を待って、そこから漢検一級を取ってしまった話みたいな感じ)。

平熱先生の子どものありのままを受けれてくれる姿を見るとそんなことを考えさせられます。

「それはそれであり」

僕も平熱先生と同じ支援学校で働いています。学校というところは予想外なハプニングが次々と起こります。本当に本当に…。まぁそれが楽しいところなのですが。

でも思い通りにいかないと、ついイライラしてしまう自分がいるのも事実。でもふと冷静になると自分の決め込んだ型や枠に子どもたちをハメこもうとして躍起になっている自分がいることに気づきます。

以前見かけたバナナマン設楽さんの「怒る人は引き出しが少ない人」というツイートが、
とある研修会で学んだ、「野生動物はトイレで排泄しません。トイレで排泄するのは人間だけです。それは自然のルールではなく、人間が後から決めた社会のルールなんです。自然のときからあるルールなんてほとんどないんです。」という言葉が、
僕の胸に浮かんできます。

魔法の言葉「それはそれであり」をどんどん使いましょう。それにいろんな発想があったほうが面白いですしね。いろんなことの正解はきっと一つだけじゃない。

「言ったかどうか」じゃなくて「伝わったかかどうか」

このツイート僕のお気に入りです笑

「●●しなさいって言ったでしょ!どうしてしないの!」こんな子どもへの注意を耳にすることありませんか。

確かに子どもが不注意で話を聞いていなかったかもしれない。でもそれなら怒るよりも注意の仕方を練習するのが必要ですよね。こちら側の注意を向けるやり方や工夫にも改善点はなかったのでしょうか。

それに一度言ったらそれですぐに分かるんでしょうか。大人の僕でも「ちょっとよくわからないのでもう一度確認させてください」と言うことがよくあります。目的は子どもたちに伝わることなんですから、僕たちが子どもたちに伝わる努力をしていたのかを振り返らないといけないのではないでしょうか。

  • 絵や写真、文字で視覚的にやることがわかるように示す。

  • 具体的なモデルを示す。自分がやっているのを見せてみる。

  • 実際に子どもたちにやってもらう。

  • 聞くだけだなく活動する場面を設定する。

  • やったことを子どもたちが振り返る、こちらからフィードバックする場面を設定する。

  • 情報量が多すぎないか検討する。

  • 子どもが興味を持てる切り口はないか検討する。

  • 説明はなるべく具体的にかつシンプルに。

思いついて書いただけなので他にもまだまだあるはずです。これらは伝わるために大人である僕たちができる工夫なんです。平熱先生の、まるで童話「北風と太陽」の太陽ように、思わず子どもたちがわかってやりたくなるような関わり方を僕も考え続けていきたいです。

子どもは「(悪気なく)主導権を握りたがる」ことがある。だから主導権を握らせつつ、こっちの要求が通るように工夫する。たとえば「走るよ!」と背中を“押して”走らせるんじゃなくて「もう走れないよ…」と嘆いて背中を“押させる”ことで走ってもらう。

北風より、太陽のほうがかっこいい。

特別支援学校に通う子どもは「わからないことが分からない」ことが多いので、先生は「分からないことが分からない」ことを分かってなきゃいけない。

このむつかしい話わかる?

「一回しか言わないからよく聞くように!」どころか「大事なことだから何回でも伝えるし、文字にしてわたしとくね!」と子どもに伝える特別支援学校って最高じゃない?

Twitter@365_teacherより

「べき」のほぐし方

子どもたちの中には自分で決めた「べき」に縛られてしまってしんどくなったり、パニックになってしまう子がいます。

その子の気持ちも受け止めながら、でも将来に向けて、その子に納得してもらえるやり方で、少しずつスモールステップで「べき」をほぐしていく関わり方。

難しいけれど本当に大切なことです。

昔note記事に書いた、僕のゆるーい、時にはふざけた関わりで、真面目で「間違えちゃいけない!」って子がツッコミを覚えて、心の声を吐き出せるようになって…みたいなのを思い出しました。

そんな風に特別支援教育で大事にしている子どもたちとの関わり方のヒントもたくさん載っています。

特別支援学校って最高じゃない?

恒例の特別支援学校って最高じゃない?シリーズから。他にもたくさんありますよー。ぜひ平熱先生のTwitterから「特別支援学校って最高じゃない?」で検索してみてください!

「ここ塗ってね」と画用紙を指差したわたしの指を丁寧に青の絵具で塗りたくってくれる特別支援学校って最高じゃない?

「掃除の時間に掃除機なんて使えるか!」どころか「子どもが使いやすいならコードレス掃除機に買い替えよう!」と提案される特別支援学校って最高じゃない?

短冊に「マクドナルドのポテトになりたい」と書いてる特別支援学校って最高じゃない?🍟

「授業中にネックウォーマーなんかつけるな!」どころか「自分で寒いと判断してつけるのいいね!」と伝える特別支援学校って最高じゃない?

「ねんどで何つくってるの?」に光の速さで「宇宙」と返される特別支援学校って最高じゃない?

「社会のことは社会に出てから学んでね」じゃなくて、社会に出てから少しでも役立つようにメイクやビジネスマナーを教える特別支援学校って最高じゃない?

Twitter@365_teacherより

特別支援学校の多様な子どもたちへの関わり方やバラエティに富んだ子どもたちの魅力がたくさんみつかりますよー。

さあ、みんなも特別支援の魅力を発信しよう

本の販売直後にフォローしているヒヨコ【ポムポムサニー】さんが平熱先生風のツイートをしているのを見て、僕も真似させてもらいました。

さぁ、特別支援教育関係のみなさん、平熱先生風に特別支援学校の魅力を発信していきましょー。

なんてツイートしていたら、まさかの本家平熱先生から暖簾分けいただいてしまいました😭

ありがたやー😭😭😭これからも特別支援学校の魅力を発信し続けたいと思います。

まとめ

はい。おわかりのように、平熱先生への愛が溢れすぎて止まらず、分量が多くなってしまいました。

最後までお付き合いいただいた方々ありがとうございました。これでみなさんも立派な平熱先生ファンですね笑。

これからは平熱先生をフォローして、お気に入りのツイートにいいねやリプライ、リツイートをしていきましょう。「#平熱ブックス」や「#ここ塗り」での検索もオススメです。

最後にこの本を書くにあたっての平熱先生の思いが綴られたnoteを紹介しておきます。こちらもちょーオススメです。

気になった方はぜひぜひ本を手にとってみてください。たくさんの素敵な言葉に出会えますよ。

LITALICO発達ナビでの平熱先生へのインタビュー記事はこちらから



表紙の画像はAmazon.co.jpより引用した本の表紙です。