「道」さんによる退行催眠、の話・後編その①


前回の投稿から、かなり時間が経過してしまいました。
実は、言語化にヒジョーにエネルギーを要します。
そのエネルギーを貯めるまでに時間がかかってしまいました。

2024年1月に「傾聴カウンセリング・道」さんにて、ヒプノセラピーを受けた時の内容となります。

さて今回の退行催眠、見たいビジョンは「前世でどんな困難に出会い、どんな気持ちでどのように乗り越えたのか」に決めていました。

私の場合、前世退行催眠を受ける際、このように「テーマ」を決めておくとビジョンが見やすくなることを実感しています。

今回は実際の生活での悩みもあり、過去の自分は人生の困難にどのように対峙したのかを見てみたいと思っていたのです。

Mさんの催眠が始まると、驚くほどスムーズに過去世のビジョンが見えて来ました。
あ、言わずもがな、今回見たビジョンも私の前世の「アレシュ・リーズンブルク」の人生の一幕です。

以下、見えた景色の実況となります。


山が見えます。山のふもとの森を歩いています。落ち葉を踏み締めて歩いており、季節は秋か冬のようです。

向かう先にはお城があります。
アレシュの所属するグループの本拠地となるお城でしょうか。しかし、アレシュの足取りは重く、お城に行くのを嫌がっています。

というのは、アレシュは戦争に行き、負けて帰還してきたのでした。
しかも、共に出陣した貴族が討ち死にしてしまったのです。
討ち死にしたのはグループの権力者の息子でした。

一応、作戦の指揮権はアレシュにありましたが、権力者の息子はアレシュに指図されるのを嫌っていました。
ですからアレシュの立てた作戦を無視して単独で行動し、あっけなく討ち取られてしまったのです。

ドラ息子の勝手な行動により、戦場の戦力比が大きく変わってしまいまして、このままではこちらが全滅するおそれもあります。
ので、アレシュは無駄な戦いはせず、軍を引き上げることにしました。

敗戦の道中、アレシュは本拠地で待っている権力者たちに、どのように弁明すべきか悩んでいました。

事実を伝えることは簡単です。
が、相手は地域の有力者であり、その息子が戦死した理由を「素直に」話したのでは、有力者の名誉を大きく傷つけてしまうことになります。

貴族は名誉を大事にしますし、ましてや有力貴族にとって「不名誉」は政権の座から転落するきっかけとなってしまいます。

ドラ息子の戦死の原因を正直に話すということは、その父親である権力者を失墜させることになります。
権力者の反対グループにとっては望ましい状況となりますが、アレシュはそれを選ぶのは愚策と考えました。

今はグループの内部抗争を起こすべきではない、というのがアレシュの考えでした。

よって、アレシュは自分を悪者にし、「有力者の息子は勇敢に戦い、自分は臆病風に吹かれて逃げて来た」というふうに報告することにしたのです。

お城に着くと、グループの有力者たちが数名アレシュを待ち構えており、敗戦の責任が誰にあるのかを尋問してきました。

戦況は、早馬(はやうま)によって本拠地へ報告されています。なので、有力者たちはだいたいの事は把握しているのです。
しかし敢えてアレシュからの「報告」を尋問するというのは、この権利機構が存続するかしないかの決定をうらなう儀式のようなものだったのです。

いわば、アレシュの一言にこのグループの存続がかかっているということです。

「(ドラ)息子さんを見殺しにして、私だけ逃げ帰ってまいりました。謹んで処罰をお受けいたします」

との言葉に、有力者たちはおのおのの反応を示します。

特に権力者は、目の奥でアレシュに感謝の意を示していたように感じました。

アレシュは敗戦の責任によってグループ内での力を失い、半ば追放に似た感じにされました。

「あーあ、悔しいけど、仕方ない。これでいいのだ」

自分の名誉や保身も大切ですが、グループの安定と存続のほうがもっと大事です。
もし、グループの内部抗争が起きたら、その隙をついて外敵が攻めて来てしまいます。

アレシュは自分の名誉を犠牲にして、グループを守ったのでした。


その②に続く

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