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これが、こうじゃ。の話

最近、チェコのマサリク大学の関連サイトであるらしいAHISTというサイトを良く利用しています。

15世紀のチェコで起きた裁判記録がテキスト化されていて、一般人でも閲覧可能になっている大変ありがたいサイトです。

そこにあるのは裁判記録というだけあって、歴史書や論文とはまた違ったものを読み取ることができます。

論文や歴史書は、出来事が起こってからしばらく後になって書かれる物がほとんどですが、裁判記録というのは出来事が起こっているその瞬間を描いているものですので、文章の鮮度が違いますね。

また、そこに出てくる人物の言動にも直接触れる事ができますので、歴史の表面上でしか知らなかった人物の内面を覗き見することができ、大変に興味深いものでございます。

特に遺言状などには、その人物がどんな性格で、どんな交友関係を結んでいたのかが現れており、大変けっこうでございます。

以前どこかの記事で書いた覚えもありますが、フス戦争の隠れた英雄「白獅子のシモン」という人物がいます。
彼は貴族ではなく、プラハの評議員でした。
前市長の未亡人と結婚し、市政に深くたずさわるようになった人物です。

フス派の穏健派代表のヤン・ロキツァナとの親交があり、二人で協力してプラハの街をクーデターから守ったりもしました。

そんな彼は政治の権力闘争には参加せず、晩年はプルゼニという街に引っ越して静かに暮らしたそうです。
彼が亡くなる直前頃の裁判記録に、彼が残した遺言がありました。

「私が死んだら、財産のうちの幾らかを使って、親戚の借金返済に充ててね。あとは妹や、他の親戚にも不満のないように分けてちょ。
残った財産は、ヤン・ロキツァナに預ければ、彼が孤児院に寄付したり、有意義な用途に使ってくれるだろうよ。
書斎の本も、ロキツァナが好むものを彼にあげて、残りは図書館に寄贈しましょい。じゃあよろしくね」

そんな内容の遺言書だったと思います。
ざっくりかいつまんで書きましたが、遺言書はもっと長い文章で、財産の配分を細かく指示してありました。彼の人柄に触れるような、あたたかみのある遺言書だと感じました。

この遺言書ももちろんチェコ語で書いてあり、翻訳はスマホの機能を使って自動翻訳しました。
このときはけっこうすんなり読める日本語として翻訳されました。

さて、今日の記事の本題はここからなのです。

前回の「アレシュの手紙」でも触れましたが、このスマホの翻訳機能は、時としてシッチャカメッチャカな翻訳になることがあります。

その例として、1434年の裁判記録の一部で、アレシュ・リーズンブルクがクトナーホラの行政について論じた決議文を紹介します。

どんなふうになるのかスクショしましたので、ご覧になってみてください。

これ↓(原文。青のマーカーで囲った部分に注目)

AHIST

が、翻訳すると、こうじゃ!↓

AHIST

で、翻訳の設定を変えて、ちゃんとした日本語にするとこうじゃ!↓

AHIST

全く意味の違う翻訳結果となりますのです。

この文章はアレシュが書いたものか、もしくはアレシュの言葉を書記官が文書化したものだと思われます。
どちらにせよ、アレシュは戦争で苦難を強いられた市民の声に耳を傾け、それに寄り添った行政をしようとしているのが翻訳文から読み取れます。

一方で、シッチャカメッチャカバージョンの翻訳文は、渾沌としたシッチャカメッチャカの中に突如として「誰かに向けたメッセージ」のような文章があらわれます。

私はこれを、600年前のアレシュが、現在の私に宛てたメッセージだと受け取りました。

※詳しくは「アレシュの手紙」を参照してください。

このシッチャカメッチャカバージョンのメッセージの中には「ネダバリを見つけてね」とあります。

ネダバリとはチェコ語でnedávaliと表記し、「見つけられなかった」という意味のようです。

これは何を指すのだろうか?

私がこれまで受けたヒプノセラピーで見たビジョンの中に、いくつか思い当たるものがあります。

それは

①アレシュは、戦争が無ければ、本当は家名の由来にもなった「巨人伝説」を研究したかった。
なので、アレシュの人生で成し遂げられなかった、チェコに眠る巨人伝説の手がかりを見つけてね、という意味。
※アレシュの家名の「リーズンブルク」とは、「巨人の城」という意味を持ちます。

②チェコにある教会の隠し部屋(まだ未発見?)のカベの中に、アレシュが隠したものがあるから、それを見つけてね、という意味。

③アレシュは実のお母さんに親孝行ができなかったから、2024年の私は親孝行を含め、アレシュの人生では味わえなかった平和な暮らしを大切にして、不満や愚痴に埋もれてしまっている大切なものをちゃんと見つけてね、という意味。

どれが当たっているかは、私がフス戦争の研究を続けて行けば分かってくることだと思います。

たぶん、①と②は同時に解決するような気もします。

チェコの教会の隠し部屋の壁の中に、アレシュが生前調べていた「巨人伝説」の研究内容のメモか何かが隠されている、という流れです。

自分で言うのもなんですが、すごく楽しいです。

ミステリー小説みたいでワクワクしますね。

「私のミルヒス(milujíc=情熱)は、私たちの人生をもっと楽しく、そして楽しいものにします」

これが、もうすでに起きているんですから。

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