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善悪なんて立場が変わると違って見えるもの、ってのをさらりと描くの凄い!


毎度新鮮な気づきがあるふたごの魔法つかいは小学校低学年の娘を持つ家庭の親子読書に結構良い気がする。

3巻は夢じかん。
学校帰りに塾に向かう道すがら、どうも調子が悪くて体がだるい。
塾を休んで家で横になったら魔法使いが出てきて夢の中へ。

ってな話なんだけど、今回出てくる魔法つかいがデデブと言うどちらかというと前の2冊では悪役として描かれていた方の爪が黒い魔女さんなのだ。
ちなみにいいヤツっぽく描かれていたのは爪が白い魔女のネネブ。

二人はもともとデネブという魔女だったのだけど、2人に分かれちゃったという設定。デネブがネネブとデデブに分かれたわけよ。ややこしい!

で、夢じかんへ連れてきたのは黒い方なのよ。で、白い方は子供を夢じかんに閉じ込めて何してるんだーって怒って救い出そうとしにくるんだけど、デデブがこの女の子を夢じかんに連れて来たのには理由があんのよ。

塾や習い事で自分の時間がほとんどないこの子に何も心配せずに思いっきり遊ばせてあげたいって気持ちから夢じかんに連れてきたってわけ。めっちゃいいヤツじゃないかデデブ!

これによってネネブ=善、デデブ=悪、みたいな単純な二項対立、勧善懲悪の構図が崩壊する。世界は見方や立場によって変わる。正しさ、も変わりうるということ。まるでZガンダムじゃないか。それぞれの正義を抱えて生きてるわけよ、ネネブとデデブもね。1、2巻であんなにいいヤツそうだったネネブが本作ではほんと余計なことしにくるヤツになってた。

これまで全く知らなかったけれど、とてもよく出来ているなぁと感動。

実際、こどもに聞いてみると、悪い奴だと思ってたのにいい人だったとかなんでだろうとか言っててやや混乱気味だったけど、ものごとは立場が違えば違って見えることもある、なんて話をしてみたけどね、どこまで伝わったかはわからないけど。

作者の河北亮司さんはブログ書いてるらしい。

他にも『マリア探偵社』シリーズが全25巻というロングシリーズ。
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