2005年のWeb2.0
「Web2.0って何?」
彼女は煙草を灰皿に押し付けると、ためらうこともなく言った。
僕は大きな決断をする時にいつもそうするように、大きく息を吸い込んで--そして言った。
「わからない」
「そう」
と言って、さっき自分で入れたばかりのコーヒーを口に運んだ。
彼女が失望を感じていないらしいことに安心しながら、やがて彼女が最初から僕の答えなどに期待していない、という事実に思いあたった僕は、やや憤慨しながら言った。
「じゃあ、わかるの?」
「わからない」
彼女の答えには迷いがなかっ