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文学、音楽活動、大学中退を経て、流れ流れてWeb業界に至った流浪のプログラマ https://www.megamouth.info/

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全体最適社で会おう

物事が上手くいき始めた時は、何かの指標や数字を持ち出さなくても、歯車が噛み合って、風で帆を膨らませた船がどんどん前に進んでいくような高揚感というか、すがすがしさというか、感覚的にわかるものだと思っている。 例えば、プロジェクト進行の途中で、具体的にはシステム開発の一局面で、それまで不便で仕方なかったフレームワークの決まり事が、こちらの理解が上回ったせいか、フレームワークが「効く」機能の実装に差し掛かったせいか、見事に噛み合い始めて、想定よりも作業が進んで、みるみるバックログ

    • 2005年のWeb2.0

      「Web2.0って何?」 彼女は煙草を灰皿に押し付けると、ためらうこともなく言った。 僕は大きな決断をする時にいつもそうするように、大きく息を吸い込んで--そして言った。 「わからない」 「そう」 と言って、さっき自分で入れたばかりのコーヒーを口に運んだ。 彼女が失望を感じていないらしいことに安心しながら、やがて彼女が最初から僕の答えなどに期待していない、という事実に思いあたった僕は、やや憤慨しながら言った。 「じゃあ、わかるの?」 「わからない」 彼女の答えには迷いがなかっ

      • 猫は東へ

        年老いたハルは毎日、お気に入りのソファで寝てばかりいて、自然と夢の話をするようになった。 猫缶を開けて、中身をスプーンでほぐしていると、それを聞きつけて目覚めたハルが、ノロノロ入ってきて、僕の足に茶色の毛をこすりつけると、餌をねだる代わりに大きなアクビをする。 今日の夢は、大きな音のする部屋に閉じ込められて、怖かったけど、お父さんが膝に乗せてくれたから存外平気だった。という話で、そうかい、懐かしかったろう、と僕が相槌を打つと、あんたもいたよ、ずっとお父さんと話していたな、

        • C20 -弦-

          「どこで生きるべき時間を間違えたんだろうな?」 ドラムのカンジが言った。 奴が持ってきた極上のネパール産という触れ込みの葉は、いつもの粗悪品とちっとも変わらなかった。相変わらず面白みも何もない。脳みその後ろがずり落ちていく不愉快な感覚だけがある。 「高校でもっと勉強しておけば良かったのにな、あんた、それなりにいい学校だったんだろ?」 俺は吐き捨てるように言ったつもりだったが、アルコールとマリワナの粘っこい引力に囚われて半分ぐらい呂律がまわらず、まるで焚き火を囲んで熱心に

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        • 復刻
          1本
        • C20
          2本

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          C20 -鼓-

          部屋に一人でいて何もしない、ということに、最近はすっかり慣れた。 実際、この部屋で暇つぶしになることは何もない。担任教師が家まで持ってきた一度も開いていない教科書とか、親が買ってきた少年少女のための単行本とか、そういうのは、もうこの部屋にはない。全部窓から投げ捨てた。 パソコンもテレビもスマホも元からない。あとは蹴破って穴だらけにした壁と茶色のカーテンが年中覆っている窓を眺めるぐらい。でもそれはこうやって、座ってるだけで見えてしまうというだけ。 昼下がりの太陽は今日もカー