megamouth

文学、音楽活動、大学中退を経て、流れ流れてWeb業界に至った流浪のプログラマ https://www.megamouth.info/
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2005年のWeb2.0

「Web2.0って何?」 彼女は煙草を灰皿に押し付けると、ためらうこともなく言った。 僕は大きな決断をする時にいつもそうするように、大きく息を吸い込んで--そして言った。 「わからない」 「そう」 と言って、さっき自分で入れたばかりのコーヒーを口に運んだ。 彼女が失望を感じていないらしいことに安心しながら、やがて彼女が最初から僕の答えなどに期待していない、という事実に思いあたった僕は、やや憤慨しながら言った。 「じゃあ、わかるの?」 「わからない」 彼女の答えには迷いがなかっ

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C20 -鼓-

部屋に一人でいて何もしない、ということに、最近はすっかり慣れた。 実際、この部屋で暇つぶしになることは何もない。担任教師が家まで持ってきた一度も開いていない教科書とか、親が買ってきた少年少女のための単行本とか、そういうのは、もうこの部屋にはない。全部窓から投げ捨てた。 パソコンもテレビもスマホも元からない。あとは蹴破って穴だらけにした壁と茶色のカーテンが年中覆っている窓を眺めるぐらい。でもそれはこうやって、座ってるだけで見えてしまうというだけ。 昼下がりの太陽は今日もカー

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C20 -弦-

「どこで生きるべき時間を間違えたんだろうな?」 ドラムのカンジが言った。 奴が持ってきた極上のネパール産という触れ込みの葉は、いつもの粗悪品とちっとも変わらなかった。相変わらず面白みも何もない。脳みその後ろがずり落ちていく不愉快な感覚だけがある。 「高校でもっと勉強しておけば良かったのにな、あんた、それなりにいい学校だったんだろ?」 俺は吐き捨てるように言ったつもりだったが、アルコールとマリワナの粘っこい引力に囚われて半分ぐらい呂律がまわらず、まるで焚き火を囲んで熱心に

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