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子どもの外遊びが法によって守られている🇩🇪

こんにちは。

私はドイツで公園・遊具のデザインをしています。

今日は、ドイツの「連邦アイミッション防止法」という法律についてのお話をしたいと思います。

"Bundes-Immissionschutygesetz"、通称"BImSchaG"
日本語訳は「連邦アイミッション防止法」または「連邦イミッション防止法」

1974年に制定された、

人間・動植物・土壌・水域・大気および文化財その他の財産を、大気汚染や騒音、振動などの環境に有害な影響を与えるものから保護することを目的としたドイツの法律。


公園と遊具のデザイナーである私がなぜこの法律の話をしたいのか。

この法律で、子どもたちの外遊びも守られているからなのです!

保育園や幼稚園、子どもたちの遊ぶ公園その他の遊び場での子どもたちの声や音は、環境に有害なものではない

と、2011年7月に連邦アイミッション法に加えられました。

遊んでいる子どもたちのおしゃべり、歌、笑い声、泣き声、叫び声。
子どもたちが遊んだり走ったり跳んだり踊ったり、ボールなどの遊び道具を使ったりして発生する音。

ドイツでは、法律によって、これらの遊び場での子どもの声や音は騒音ではないとされています。


公園や保育園の周りに住む人たちからのクレームが出るなどの話をよく聞きますよね。

ドイツでもそういうことが問題になったため、子どもたちの外遊びが法律で守られる、という形になりました。

法律で定められないと、やっぱり子どもの外遊びは守れないのか。。。と悲しくもなりますが、法に加えられるほど重要視されているということ。
そして、法律で定められることで、子どもの外遊びの重要性への住民の意識が少しでも変わるなら、素晴らしいこと。


しかし、むやみやたらにどこにでも公園やサッカーなどの球技ができる場所を作っていいというわけではありません。

住民を守る法律ももちろんあって、子どもたちが駆け回る遊び場や球技ができる場所を作る際には、設営の重要性やその場所が適しているのかなどの調査、近所迷惑をできるだけ避ける形でのプランニングが義務付けられています。

こちらのご近所さんのための法律は、州によって異なるようです。


また、子どもの遊びを守るといっても、ブランコがきしむ音が一日中キーキー聞こえてきたり、ガンガンと大音量のなる遊具が設置されたりしては、誰しも我慢の限界を超えてしまいます。

これらは、連邦アイミッション防止法によって、「環境を害する騒音」と見なされます。


適した場所に遊び場を作り、設備による環境への影響を配慮する。

大人がここを徹底して、子どもたちの外遊びの環境をしっかり守っていきたいですね。

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