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こどもと遊ぶお父さんの「プレイワーク」

先週末、お友達と公園でピクニックをしてきました。

屋外では最高5世帯合計10人まで一緒に会えるようになったので、10人で大集合。
メンバーは、私と私の彼、女友達3人とそれぞれの彼と、その彼のうちふたりのこどもひとりずつ。10歳の男の子と、同じく10歳の女の子。
この2組は大人数で会えないロックダウン中にお付き合いが始まったので、彼たちは今回がはじめまして。そしてもちろん、そのこどもたちも、はじめまして。

他の国はよく分かりませんが、ドイツでは、両親が離婚すると、こどもたちは、お父さんのところとお母さんのところに1週間ずつ住んだり、その間隔が1週間と2週間だったり5日間と10日間だったり、またどちらかのところに住んでいて2週間おきの週末にもう片方の親と過ごしたりと、いろいろのようです。ごく稀ですが、こどもが自分の部屋で落ち着いて過ごせるように、でもどちらの親とも同じ時間過ごせるように、親が1週間や2週間ごとに部屋を交換する、なんてケースも聞いたことがあります。

とにかく、離婚しても、こどもがどちらの親とも離れずにいられるように、必要であればこどものための福祉機関を通じて相談しながら形態を決めていくようです。


今年30歳になった友達ふたりは、少し前まではまだこどもにほとんど興味がなかったようで、まさか突然10歳のこどもの親のような立場になるとは全く考えていませんでした。
ふたりとも、こどもがお父さんとお母さんと1週間交代で一緒に過ごすことになっているので、彼女たちも1週間ごとに、こどもと過ごしているようです。
大変なことももちろんたくさんあるみたいですが、近くに似たような立場の友達がいてお互いの状況や悩みについて話せているみたいで、本当によかったね、と非力ながら思っています。


今回、ふたりのこどもたちも、はじめまして。
同じ歳の子がもうひとり来るのはふたりとも聞いていたみたいなのですが、お互いを気にしながらもなかなか近づけないお年頃。

初めて会うお父さんの彼女の友達がたくさん。
そして、同じ歳の異性の子。
気になるけど、話したいけど、遊びたいけど、近づけない。
大人がみんなでおしゃべりしている横で、ふたりともそれぞれ退屈そう。

どうしたらさりげなくきっかけを作れるかなぁと、話しかけてみたり、木にぶら下がっているブランコに誘ってみたり、作ってきたおにぎりを一緒に食べようと誘ってみたり。
でも首を横に振られるだけで、どうもうまくいきません。

そこで、大人が無理に介入するのもよくないな、ふたりともお父さんと一緒に来てるんだし、この場が居づらくてしょうがない訳ではないだろうし。
と、私はフリスビーで遊ぶことに。

フリスビーに夢中になっていると、ふと、ふたりがケラケラ笑う声が聞こえてきました。
大きな木の太い枝にブランコが3つぶら下がっていて、ひとりのお父さんとこどもたちがそれを揺らして真ん中でぶつけて遊んでいます。

そうかと思えば、ひとりずつエアーソファーに寝転がって、
「3、2、1、Go!」
で立ち上がって、そのお父さんが高く挙げた手にどちらが早くタッチできるかの競争が始まりました。

大盛り上がりです。ふたりともとっても楽しそう。
それからは、学校のことやお気に入りのゲームや好きなYoutuberのことなど、いろんなことを話しながら一緒にたくさん笑っていました。
嬉しいー!やったねー!

初めは関与せずにしばらくふたりの様子を伺いながら、タイミングを見てさりげなく一緒に遊べる状況を作ったんだろうなぁ。

これこそ、「プレイワーク」

2020年2月、一般社団法人TOKYO PLAY主催のイギリス・スタディツアーに参加しました。
日本の冒険遊び場・プレイパーク等で活躍されているプレイワーカーさんたちと一緒に、ロンドンのプレイパークやこども病院でプレイ・スペシャリストさんたちから様々なことを学んできました。

その中で学んだ、【プレイワークの原則】

❶全てのこどもと若者が遊ぶことを求めている。それは本能的な衝動。遊ぶということは、生物学的、心理学的、社会学的の側面からも欠かせないと考えられ、個人と地域社会の健康的な成長と福祉の基礎となる。
❷「遊ぶ」とは、自由に遊び、自由に方向づけ、自由な動機に基づいているプロセス。遊ぶには自分なりの本能や考え方、興味に合わせて、自分なりの方法と理由で、何をどうしたいのかを決められるということ。
❸プレイワークの最大の関心と意義は、こどもが遊ぶやすい場をつくることにある。遊びに関する政策や戦略、研修や養成過程を作成する際の文言としても含まれている必要がある。
❹プレイワーカーは「遊びのプロセス」を最優先に考える。大人が用意した遊びのなかでは、プレイワーカーは遊びの代弁者として行動する。
❺プレイワーカーの役割は、全てのこどもと若者が遊ぶことのできる環境づくりにある。
❻こどもや若者が遊んでいる場面では、プレイワーカーは目の前の遊びのプロセスを十分に理解し、振り返ることができる関わりが土台となる。
❼プレイワーカーは遊び空間に影響を与える存在であり、こどもや若者の遊びから学ぶ存在であることを認める必要がある。

まとめると、プレイワークとは、こどもの遊びの「場」づくり
こどもたちが自分で遊びを広げられるように、遊びを守り、遊びの場を広げる、豊かな遊び環境づくり

こどもたちが自由に遊べる環境やきっかけをつくり、提供しすぎず、介入しすぎず、見守る。そしてこどもに遊びに誘われたら、一緒に遊ぶ。
それはプレイワーカーさんだけではなく、そしてプレイパークだけではなく、誰でもどこでも始められること。

このお父さんの素敵なプレイワークによって、こどもたちも、私たちもみんなでわいわい過ごすとこができました。
こどもたちにとっての遊びの意味や大切さを知って気軽にプレイワークができる大人がもっと増えていたらいいなぁ。

いろいろな場面でのいろいろな立場の人による様々なプレイワーク。
私もこれからももっと学んでいこうと思います!
そして、大人も楽しく遊べる場、環境もつくっていきたい!

あぁー楽しかったー!
やっぱり、人と会えるって、大切ですね!


ちなみに、エアーソファーとは、こういうものです。
私も今回初めて知ったのですが、口を広げて持って走ったり回ったりしながら空気をいっぱい入れて、急いで口を閉めてソファーにする、というもの。
友達が持って来てくれたのは青いものでしたが、ドイツの国旗柄のものも見つけました😃

そして、私が夢中になったフリスビーは、こちら。

少しの力でよく飛んで、いろいろな投げ方で遊べます。
もうひとりのお父さんは理学療法士として働いているためか、褒め上手でみんなのモチベーションを上げるのが本当に上手!

このエアロビー、縁が柔らかくなっているので、当たっても痛くないし、誰でも簡単に遊べます。おすすめです!


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