【バトン企画】#異文化カルチャーシェア活 ✂︎ 紙で遊ぶ


こんにちは!
ベルリンに住んでいる noter 風の子さんから、チェーンナーさんが企画された「異文化カルチャーシェア活」のバトンをいただきました。ありがとうございます!このような企画に参加させていただくのは初めてで、興奮して、少し緊張しています。


風の子さんは、なんと毎日一冊絵本を紹介されています。そして、その絵本のお話の感想として風の子さんご自身のエピソードを書かれていて、じーんとあたたかい気持ちになったり大切なことを学んだり思い出させてもらったり、ときにはぷぷぷっと笑いそうになったり、いつもとても楽しみにして読ませていただいています。


異文化カルチャーシェア活
自分が他人に薦めたいマイカルチャー、だれもが持っている、その文化を、みんなでシェアしましょう!

私は現在、公園や遊具のデザイナーとして、こどもミュージアムで参加体験型展示のデザイナーとファシリテーターとして働いていて、だいたいいつも「こども」や「遊び」のことを考えています。noteでもそういったことを書いていますが、今回は、「マイカルチャー」ということで、私の好きな、紙で遊ぶ、ということについて書こうと思います。


紙漉き

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私は越前和紙のある福井県の出身なのですが、小さい頃にした紙漉き体験の感覚を今も鮮明に思えています。温かくてとろとろぽってりした液体の中に、網がつけられた木の枠を沈ませ、その液体をすくい、まっすぐに揺らして、水分を落とす。金箔や押し花を乗せて、色水を垂らして、自分だけの紙を作る。乾燥されてできあがった紙を受け取ったときには本当に感動しました。

福井県のいくつかの学校では、卒業証書の紙を和紙工房でひとりひとり自分で漉きます。私の通っていた学校もそのひとつで、自分が漉いた紙でできた卒業証書を受け取るのは、とても感慨深いものがありました。

これがきっかけとなって、私は、親に紙漉きキットを買ってもらって、家でも紙漉きをするようになりました。牛乳パックをミキサーでどろどろにして、そのどろどろをポストカード大の型に入れてプレスして、窓ガラスに貼って乾燥させて。できあがったごわごわの紙は、和紙工房でのように薄くて光が透けるような美しい紙にはなりませんでしたが、自分が作ったと思うと、嬉しくてしょうがありませんでした。ミキサーと窓ガラスがぎとぎとのべとべとになったので母には怒られましたが、その後も、小さく切った折り紙や絵の具も一緒にミキサーに入れたり、押し花を作って乗せてみたり、いろいろと工夫しながらポストカードを大量に生産しました。

ドイツでも紙漉きはしますが、和紙工房でできるような素敵な紙は見たことがありません。私がせっせと家で作っていたような、ごわごわした、手作り感満載で愛着の湧く仕上がりです。

全国のいろいろなところに紙漉き体験ができるところがあるようです。福井県に行くことがあれば、越前和紙の里・パピルス館にもぜひ行ってみてください。うちわや灯り、だるまなども作れます。


折り紙

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日本人ならみんな一度はしたことがあるであろう折り紙。私も折り紙は特別に好き、というわけではありませんでした。

しかし、高校生の時に2週間オーストラリアに留学した時に、ホームスティ先のこどもたちと仲良しになるきっかけをくれたのが折り紙。こどもたちがすごく喜んでくれたのがとっても嬉しくて、一枚の紙から簡単にいろいろなものが作れる折り紙ってすごい!と思うようになりました。

また、たしかイスタンブールの空港で飛行機を待っていたときに、お土産売り場で車を買ってほしくてダダをこねて泣いていた男の子に折り紙で車を作って喜んでもらったり、学生時代に大阪でバイトしていたレストランに来ていた外国人のお客さんに箸置きで舟を作って驚かれたり、紙さえあればいつでもどこでも何かが作れるってなんて素敵なんだろう、と思う場面がたくさんありました。

それからしばらく折り紙にハマってしまって、難しい折り方を見つけては挑戦するようになりました。できたときには、これが本当に一枚のペラペラの紙からできたのか、と感心してしまいます。複雑なものも挑戦し甲斐があって好きなのですが、やはり、折り鶴のように、シンプルで極限まで抽象化されたものは本当に美しい、日本の誇るべき文化だなぁと思います。

8年前から働いているベルリンのこどもミュージアムでも、折り紙のワークショップはいつも大人気です。折り紙の家や車や花でまちを作ったり、海の動物やアフリカの動物を作ったり、「できない〜」と言いながらも完成させられたときのこどもたちの顔には、私がいつも幸せをもらっています。

誰でもできると思っていた折り紙。日本を出てみると、そうではないことに気が付きます。ひとつやふたつ折り方を覚えておくと、海外旅行の際や日本で外国の方に遭遇した時に、折り紙で小さなプレゼントをして喜んでもらえるかもしれません。


しかけ絵本・ポップアップカード

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そして紙遊びで何よりだいすきなのが、しかけ絵本とポップアップカード作り。

ここで、しかけ絵本、ポップアップ絵本の歴史について少し触れたいと思います。
世界最初のしかけ絵本は、14世紀初めに羊皮紙で作られた手書きの占星術の本だと言われています。円形で動かせるしかけになったもの。当時のしかけ絵本は、天文学や医学、地理学などの学問を視覚的に分かりやすく学べるように大人向けに作られた実用書だったようです。
こども向けのしかけ絵本は、1970年半ばに挿絵の描かれたフラップをめくれるようになっている道化絵本がロンドンで出版されたのが始まりだったそう。そして19世紀になって、趣向を凝らしたしかけ絵本がヨーロッパで大流行しました。フラップをめくると絵が現れるだけではなくて、つまみを引くと絵が動いたり変わったり、お話しに合わせて人形を着せ替えられるようになっていたりするようなものです。そして、しかけ絵本界の名匠、ドイツのローター・メッゲンドルファーによって、最高傑作たちが生み出されました。
「ポップ・アップ」という言葉は、開くと絵が飛び出したす絵本を開発した、アメリカの出版社ブルーリボンブックス社が1932年に作ったそうです。ポップアップ絵本は第二次世界大戦中からその直後にアメリカでも大流行し、「不思議の国のアリス」や「くまのプーさん」など、たくさんの作品がポップアップ絵本になりました。
日本では、江戸時代に「おもちゃ絵」と呼ばれるしかけ絵本が存在し、こども向けのものは大正以降に発展したそうです。

しかけ絵本やポップアップカードを作っていて楽しいのは、やっぱり、贈った人に驚いて喜んでもらえること。平面の中に小さなサプライズを仕込める紙という素材はなんて素晴らしいんでしょう。
もちろん、手作りのものではなくても、贈り物や自分用に素敵なしかけ絵本やポップアップカードを選ぶのもとっても楽しいですよね。

こどものためのポップアップレシピ本を作ったり、カスタマイズしたポップカードをオンラインショップで売ったり、クリスマスマーケットに出店してポップカードを売ったり。またラッピングデザインにも魅了されて、ポップアップカードと組み合わせたラッピングも開発したりと、学生の頃はしかけ絵本やポップアップカード作りにどっぷりはまっていました。

最近はあの頃に比べるとほとんど作らなくなってしまっていましたが、またいろいろと作りたくてうずうずしてきました。この企画に感謝ですね!


紀元前の中国から作られさまざまな用途で使われてきた紙。
切ったり折ったり貼ったり丸めたり、自由自在にいろいろなものが作れる、魔法のような素材、紙。こどもの指先の細かいスキルを鍛える遊びとしても、親子で一緒に何かを作るのにも最適です!

以上、私のマイカルチャー、「紙で遊ぶ」でした。
それでは、ふたりの noter さんにバトンを渡したいと思います。


まずひとりめは、同じくドイツにお住まいのまゆみさん。ウェルネスのお仕事をされています。まゆみさんの短かくも力強い文章から伝わってくる、穏やかな中に潜む強さに癒され、力をもらっています。そんなまゆみさんの世界感がだいすきで、まゆみさんのマイカルチャーのお話が聞けたらという願いを込めて、バトンを渡させていただきます。


もうひとりは、かご専門店ORIKAGOさんで販売スタッフをされているかこさん
ケニアで手作りされた、形も大きさも色もさまざまなかごのいろいろな使い方を紹介されていて、本当にわくわくさせてもらっています。日本に帰ったらぜひ行ってみたいお店のひとつです。かごのことはもちろんですが、かこさんの日常の中の優しくて楽しいお話も書かれています。ORIKAGOさんの素敵なかごやかこさんのことをみなさんに知ってもらいたく、バトンをお渡ししたいと思います。


一方的ですが、よろしければ、バトン受け取ってください。

◎【オススメマイカルチャー】
本でも、漫画でも、音楽でも、映画でも、考え方でも、推しの人物でも、なんでもいいです、ご自身が薦めたいマイカルチャーをnoteに書いてください!表現や書き方は、もちろん自由です!
【期間】7月20日まで
【バトンリレー】
1.バトンが回ってきたら、noteを書く。
2.noteを書いたら、次にバトンを渡すnoterさんを最大2名まで指名する。
指名するnoterさんの最新の記事を貼る。
3.バトンを受け取ってもnoteを書きたくないときは、チェーンナーさんに返しても大丈夫。
4.チェーンナーさんの記事をシェアする。
5.#異文化カルチャーシェア活 を入れる。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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