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検便パラレルワールド


私は、4月からサラダ屋さんに就職しました⭐️
初めての配属先は、なんと銀座。

千葉にはまだ店舗はないので、東京に配属になるとは聞いていたけど、まさか銀座になるとは。
3月まで八千代の国道沿いで赤子と戯れる仕事をしていた私としては、もうビビり散らかし。
大丈夫かな、溶け込めるかな。
不安がいっぱい。




時は流れて8月。
今日は出勤して早々、
明日が必着の検便を提出するため、郵便局に行くと決めていた。

銀座にいるとは言え、
四六時中、商業施設のデパ地下で働いているので、最近は地下労働場にいるように思えてきて、気分が塞ぐ。
それゆえ、仕事にかまけて地上に出られるなんて最高なのだ。

郵便局の場所を調べたら、ここから徒歩20分。
え?そんな遠いわけないだろ、ここ銀座だよ?

と思ったら、今日は土曜日だった。
近所の小さい郵便局はお休み。



いいじゃーん。
サボれんじゃーん。
徒歩20分と言うことは往復45分くらいはサボれる。
口角が、自我を持ちはじめる。
にやけるな自分。

なんとかイヤそうな表情を作り出し、バイトの子へ「20分歩いて行ってくるわ〜」と伝えます。
万が一、私がいない間に店が混んだりして、
アイツ遅くね?サボってんの?
とか思われるのは、嫌ですからね。

これは、れっきとした仕事なのに(笑)
プププ(笑)



心踊る気持ちで、エスカレーターを上り外へ。
右肩には検便と水筒だけが入ったIKEAのトートバッグ。

地上に出ると、ハイブランドの紙袋を持った中国人観光客が十数人、エントランスの地べたに座って休憩している。
これも銀座では当たり前の光景。
もうカフェとか入りなよー、ここ暑いよ?と思いつつ、いつも通る道とは逆方向へ歩き始める。


いつもは銀座駅から直結で店まで行けるため、
銀座の街を歩くことは、今までほぼなかった。

数分歩いて、歩行者天国に出た。
均等に並ぶパラソルと石畳の道。
日本人を超える観光客の量も相まって、ここは日本なのかと疑うほど。

作業着と便所サンダルがそぐわなすぎるその景色に、テンションが上がり、思わず母に自慢のラインを送信。



GINZA SIXの前を通る。やばい。
なんだこのスタイリッシュな建物。
私の地元にこの建物があっても、新しいAmazonの物流倉庫かな?としか思わないかもしれないけど(笑)

この銀座にあるからこの無機質なビルの只者じゃない感がすげえ。



それにしても、暑すぎる。
もう水筒の水がお湯だ。

銀座の大通りを抜け、景色は商業施設からオフィス群へと変わっていく。




、、、、、、。



やっぱり銀座のオフィスはナチュラルローソンなのね。





、、、、、。






、、、、、。






おい!!!!!!!!!
遠すぎんだろ!!!!!!!
溶けてしんでまう!!!!!!!!!

なんでよりによって、今日土曜日なんだよ。
なんでこんなクソ暑い中20分も歩かなきゃいけないんだよ。
東京のくせに。
銀座で20分の距離ならみんなタクシー使うだろ!!!!!



ワクワクした気持ちはどこへやら。
キレながらもなんとか郵便局に到着。
室内涼しすぎーーーーー!!!!!
窓口はなぜか無人で、郵便局内のポストへ投函。


帰りは驚くほどスタスタと足が動く。
暑すぎるから早く帰りたいのだ。
ナチュラルローソンでカルピスを買い、首に当てながら歩く。
IKEAのトートバッグと便所サンダル、首のカルピスも相まって、相当な田舎っぺ感を醸し出していると思う。


関係ない。
だってしんでまうから。


隣を歩く高収入そうなカップルは、クソ暑いのに恋人繋ぎをしている。大きな日傘もろともGINZA SIXへ吸い込まれていく姿をみて、無性に腹が立ってきた。

そもそもポストに投函するだけだったら、近くの郵便局のポストに入れとくだけで良かったんじゃね?

外に出てサボりたいと思ったわたくしの愚かな心を、
許してください神様。



店に戻ると、私がいない間に昼のプチピークが来ていたようで、みんな後片付けに追われていた。

特に何も言わず、言われず、勤務に戻る。





銀座。
だからなんだよ。
そう思った1日だった。



2024.08.14

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