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【依頼数100万件突破】日本のGDPを増やしたいミツモア代表が改めて語った、ミッション・バリューの真意


「日本のGDPを増やす」を合言葉に、2017年に立ち上がったミツモア。そんなミツモアが創業から約4年経った2021年10月14日、累計依頼数※100万件を突破しました!
※依頼を作成した利用者の累計数。

そこで今回は、日本のGDP増加に貢献したいと考え、挑戦を続けるミツモアのミッションとバリューについて、FounderでありCEOの石川彩子に改めて語ってもらいました。

石川彩子
東京大学 法学部卒。新卒で外資系コンサルティングファーム、ベイン・アンド・カンパニーに勤務。その後、ペンシルバニア大学ウォートン校にてMBAを取得し、シリコンバレーのECスタートアップZazzleに勤務。
帰国後、元ヤフーのエンジニアとともに「ミツモア」を創業し、同社CEOに就任。

「日本の明るい未来のため」ミツモアはGDPを増やしたい

ー依頼数100万件、おめでとうございます。ここで改めて、ミツモアという会社のミッションとバリューについてご紹介いただきたいと思います。まずは、「日本の事業者のためになる」という言葉にフォーカスした理由を教えて下さい。

石川:弊社のミッションは、「​​事業者の活躍をあと押しし 依頼者にぴったりの価値を届けることで 日本のGDPを増やす」です。

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ここで強くお伝えしたいのは、事業者と依頼者の両方を文言に入れていること。つまり、事業者だけにフォーカスを当てているのではないことです。

私はアメリカに長く住んでいたことがありました。その時に、アメリカが生産性の高い社会だと、ひしひしと感じました。サービス産業においての労働生産性では、日本はアメリカの半分ぐらいしかないんですよね。IT投資を含めた効率化が進んでいないために、同じ価値を創出するのにも、アメリカだと1時間ですむのが、日本だと2時間かかる。そこをすごく問題視していました。

もちろん、他国の労働生産性だけを見てわかることは断片的です。また、今の話はサービス産業に関するもので、日本の製造業は生産性が高い物作りをしています。しかし、サービス産業においてはまだまだ改善の余地がある。そこをなんとかしたくて、ミツモアを誕生させました。

ミツモアは、サービス産業の事業者が設定さえすれば、自動で見積もりが出され、集客もできます。設定に手間取ることはあるかもしれませんが、そこさえ乗り越えてしまえば、見積もりを自動で出せる。これは事業者にとって画期的なことです。

そして、依頼者にとっては、一瞬で見積もりが見られるようになった。このように、サービス産業の労働生産性を上げて、日本のGDPを増やそうとしているところなんです。

ーしかし、なぜ「日本のGDPを増やす」?

海外で働いていると「海外を好きになるタイプ」と「愛国心が深まるタイプ」の2つに分かれます。私は後者だったので、帰国してから起業を選びました。そのときにずっと考えていたのが「日本のためになるビジネスは何か」でした。

もちろん、自分の強みややりたいことをベースに起業する選択肢もありました。でも私は、自分のビジネスによって日本が明るい未来を描けるようにしたかったんです。それも、働いている方々が労働生産性を上げる助けになりたい。そこで思いつのたのが、ミツモアでした。

ヒントになったのは、海外で働いていたころに知った地域密着型ITサービスです。しかし、日本ではまだ未開拓の分野。そういったITサービスを調べていくうちに「日本の経済を支える中小企業や個人事業主の専門知識とスキルを、もっと効率よくビジネスに繋げられるんじゃないか」と思ったんですよね。

日本のGDPを増やせば、働く人たちに気持ちの余裕ができます。そうすれば、手元のことで頭がいっぱいにならず、仕事やプライベートにワクワクできるようになるはず。そのため「日本のGDPを増やす」を掲げました。

ーミッションはすんなり出てきたものだったんですか?

石川:創業当初のメンバーでの合宿でミッションを決めたんですけど、そのときは「事業者だけ入れるのか、依頼者だけ入れるのか、両方入れるのか」「日本のGDPを増やすを入れるのか」などいろいろ話し合いました。1時間ぐらい経ってから「もう石川さんが決めて」となっていて(笑)。「日本のGDPを増やすは絶対入れます!」「事業者と依頼者、どちらか一方だけのためのものじゃないので両方入れます!」としたんです。だから、少し長いんですけどね(笑)。

やはりプラットフォームとして、事業者の利益と依頼者の利益がトレードになる瞬間があり、判断しなきゃいけない。そういう時にどういうスタンスでいくのか、ミッションやバリューから、決まってくるところがあります。そのため「事業者・依頼者のため」と、ミッションに入れました。

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毎月行われるAll hands meeting(全社定例)にて、ミッションについて説明する石川

「依頼者ドリブン」「テクシン」というバリューについて

ー次にバリューについてです。ミッションができてからバリューができたんですか?
石川:ミッションは創業1年目の合宿で作りました。バリューは創業当初に作りましたが、会社の成長とともに合わない部分も出てきたため、1年ぐらい前に刷新しました。

ー4つのバリューがあり、1つ目が「依頼者ドリブン」であることですね。

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石川:「依頼者ドリブン」であることをあえてバリューに加えたのは、ミツモアで仕事をしている時に、事業者と関わることの方が圧倒的に多いから。事業者とは直接電話でお話もしますし、お問い合わせをいただくことも多い。接する割合の95%ぐらいは事業者と言っていいかもしれません。そうすると、どんどん歩幅が事業者寄りになってしまうんです。

しかし、私たちとしては、依頼者がミツモアで探す・選べるからこそ、事業者が活躍するんだということを忘れないようにしないといけない。そんな気持ちが強くありました。

経済活動に向けたプラットフォームなので、依頼者がミツモアでプロにサービスを依頼するという体験を磨き込み、常にミツモアを使ってくれるような状態を作ったら、事業者も利益を出すことが出来る。そういったところを忘れないようにしたい。そこで、「依頼者ドリブン」と定めて、依頼者のNPS※を上げるように、いろんな施策を打っているところですね。
※Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)。企業やサービス等へのお客様の愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標のひとつ


ー2つ目のバリューである「テクノロジーでシンプルに」は?

石川:これは社内で「テクシン」と略されるほど、浸透度が高いバリューですね。事業者・依頼者だけじゃなくて、自分たちの業務も「テクシン」したいし、両方で使っています。

先ほどもお話ししたように、我々のミッションは労働生産性を上げること。それは依頼者・事業者だけでなく、社内オペレーションに対しても同じです。依頼者・事業者に向けて良いものを作ることは、創業以来ずっと変わっていません。でも、社内オペレーションをテクシンすることにはなかなか目が向かなかったんです。

そうすると何が起こるか?日々手動のオペレーションに忙殺されて、改善を回せなくなる。毎日いっぱいいっぱいな状態をなんとかするためにも、社内オペレーションも含めてテクシンできるものはテクシンしていかなければならない。オペレーションを自動化するという意味だけでなく、そもそもそんなオペレーションが発生しないようにしたい。

そういう意味でも、社内もテクシンすれば、依頼者・事業者に、より本質的な価値を届けることにフォーカスできるはず。個人的には、一番定めてよかったバリューですね。

「みんなの情熱で革新を生みたい」の思いで生まれたバリューも

ーそして3つ目のバリューが「エンジンであれ」です。

石川:人は皆、自分の意見や意思があります。それを発信・推進する文化にしたいと、「エンジンであれ」を定めました。仕事は役割分担があるので、ある人には見えていて、他の人が見えていない、ということが多く発生します。言われたことだけをやる組織だと、重要なことを見落としてしまいます。

ーメンバーの自律を促すことが目的?

石川:そうですね。本当に良いもの・革新的なものは、一人ひとりが情熱を持ち、良くしていこうと考えて初めて生まれるものだと思います。それが「言われたからやる」だと、発言者分しか革新は生まれない。みんなが意見意志、情熱を持ってやれば、その分だけ革新が生まれるんですよね。そういった状態を目指したくて、バリューに「エンジンであれ」と入れています。

ー4つ目のバリューは「積極コミュニケーション」。「エンジンであれ」にも関わりそうな感じですね。

石川:そうですね。「エンジンであれ」は「自分で意見意志情熱を持ち、それを表明していきましょう」と強く表しています。ただ、少しハードルが高い。でも、「積極コミュニケーション」はもうちょっと簡単です。「わからなかったら聞く」レベルから使えるので、みんなが受け入れやすい。Slackのスタンプでは、これが一番使われています。教えてくれたお礼とその姿勢を褒める、みたいな。

ーこれら4つバリューは、社内の雰囲気からヒントを得たものだったりしますか?

石川:特に「コミュニケーションをもう少し活発に」は、みんなが思っていたことですね。そういった考えもバリューに反映しています。

部署をまたぐとコミュニケーションを取れなかったり、コロナでリモートが増えたりすると、朝のチェックインの時しか人と喋らなかったりする。そうすると、どんどん情報格差も増えてしまうし、繋がりがなくなってしまう。情報格差を埋めにいくようなコミュニケーションもそうですし、仕事の合間にちょっとホッとするコーヒーブレイクみたいなコミュニケーションも大事だと思うんです。いろんなコミュニケーションはあったほうが、仕事もやりやすいし、人間的な生活だと思ってほしいですね。

ーこの4つのバリューはすんなり決まりましたか。

石川:いえ、ミッションより時間がかかりました(笑)。経営メンバーの中で、ミツモアでこういう行動を推奨したいという行動規範を挙げてみようとそれぞれが持ち寄って、ああだこうだ話して、社員の意見も聞いた上で、最終的にはまた私が決めました。4〜5ヶ月ほど、かかりました。

ー議論のポイントは?

石川:それぞれ考えがあるので、候補が大量に出るんですよね。バリューは大量にあってもみんな覚えられないし、意味が薄くなってしまうので、どう絞り込んでいくかが議論になりましたね。

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ただ掲げるだけではない「バリュー浸透委員会」

ーバリューを浸透させるための施策などは実施していますか?

石川:私や経営メンバーマネージャーが積極的に使うのはもちろん、「バリュー浸透委員会」があります。そこには経営メンバーは入ってないんですけど、ジュニアからシニアまでいろんなメンバーが入っています。そこで、バリューの意味の確認や、積極コミュニケーションを推進するためにはどういう施策をすればいいのか話したりしています。

あとは、バリュー委員会から「今週のバリュー体現エピソード」を発表したりといったこともありますね。例えば、依頼者へのNPSサーベイ。毎回、回答を取得するのが面倒だ…という社内の声をインターン生が拾い、Slackで自動通知される仕組みを作ったんです。それに気がついた周りのメンバーは、「めちゃテクシンじゃん!」と反応していました。エンジニアでもなんでもないインターン生が見よう見まねでSlackの通知を作って、これはテクシンだしエンジンだし、2つのバリューに当てはまりますよね。

ーそれ、すごい良いですね!浸透委員会は、バリューができてすぐ組成したんですか?

石川:わりとすぐですね。経営メンバーだけが頑張っていると、温度差が生まれてしまいます。それ以外のメンバーでやりたい人いませんかと募って、考えてもらいました。

ーバリューを作った前後で変化があったのかどうかも伺いたいです。

石川:「テクシン」が一番変化としては大きいと思います。創業当時は大変なオペレーションも日々頑張って回そうとする頑張り屋さんが多かった。でも「これテクシンしたら作業減るんじゃない?」となってからは、みんなの仕事への意識が変わったと感じています。「頑張ればなんとかやれるっ」から「テクシンできるものはテクシンする」となった。事業規模が常に成長し続けるので、放っておくとどんどん忙しくなってしまうところ、忙しくなる速度が緩められる。「ただ頑張るではなく、楽することが良いこと」となりましたね。

ー石川さんから見て、現在のミッションやバリューの浸透度はどうですか?

石川:ミッションはずっとあるものなので、かなり浸透していると思います。採用の際、最終面接で「日本のGDPを上げるとはどういうことなんですか?本当にできるんですか?」とよく質問されます。冒頭にも説明したことを言うと、みんな納得してくれるし、ミッション達成に向かって一緒に頑張ってくれている。ミツモアには、なんとかして何かを成し遂げようという人が多いと思います。

ーミツモアのバリューは、組織のフェーズによっては変わることもありますか?

石川:「テクシン」は変わらないかも。なぜなら、「テクシン」がコアにある会社だから。そもそも我々がやろうとしていることが、世の中を「テクシン」することです。他は…まだわかりません。

行動規範は、課題意識から生まれるところもあります。創業当時は「faster than ever」という何より早くやろうというバリューでした。でも、それはもう跡形もなくなくなりました。やっぱり会社のフェーズによりますよね。初期は、何よりも早くやることが価値だった。でも今は依頼者も事業者も増え、日々経済活動が行われる中で、早くやりすぎることの弊害の方が大きい。なので、今はどちらかというとスピードより質ですね。

ーバリューの変遷から、ミツモアの歴史が見えますね。ありがとうございました。
(インタビュー・編集:福岡夏樹 ライティング:吉田千枝子)


現在、ミツモアは事業拡大を進めており、エンジニア・デザイナー・PdMをはじめ多くの職種で積極採用中です。
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