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かっこいい女性とリーダーシップ | 凡人が箱根花柳界から学んだこと#2

箱根芸者を世界へ、箱根花柳界のリタッチに挑戦するMeet Geishaの小山麻未が凡人として知ったこと、凡人なりに気づいた大切なことをちょっとずつシェアします。

かっこいい女性というものがいる。

世界史を振り返れば、不遇の幼少期を経て、
25歳でイギリス女王に即位したエリザベス1世。
「私はイングランドと結婚している」と生涯独身を貫いたことは有名だが、彼女はセルフブランディングが上手だったのだろう。
「民衆のために生きた強い女性リーダー」として国民に愛され、
歴史をつくった。

20世紀を代表するフランスのデザイナー、ココ・シャネル。
前世代の不要な装飾とコルセットから女性たちを解放し、「女性らしさ」の概念からも自由にした。
数ある名言の中でも、「私は流行をつくってるんじゃない、私が流行なの」という言葉などは、彼女の存在をスカッと表現していて気持ちがいい。

私の義母もかっこいいから聞いてほしい。
夫が社会人一年目を迎える頃、タイミングを同じくして
義母が看護長として昇格、東京へ単身赴任することが決まった。
引っ越し当日の玄関先、見送る息子に「私が背中で見せるから」と、
家を後にしたそうだ。
彼女の生き様を表す、私の大好きなエピソード。
義母はこれからも私にとって働く女性、母親としての憧れである。

Meet Geishaのリーダー西村。
1年間の休学をわずか2日で決め、アパートを解約、買い方も知らなかった新幹線の切符を手に京都を飛び出て、東京にきた。
インターンを終えると、学生をやりながら、社員になってそのまま事業を始めた。
ただ若いからではない、彼女の中には言葉で説明しきれない「絶対これだ!」が見えているのだ。

リーダーシップは『発揮しちゃうもの』

リーダーシップというのは、様々な定義がされているけれど、
その人の価値観だったり、思想だったり、「生き方」というものと関わりがあって、それは「突き動かされる何か」のことだと思う。

何かを背負いながらも、身軽で、頑固だけど柔軟で、誰かのではなく、自分の人生を生きている。そういう人がリーダーシップを発揮しちゃってる。

箱根芸能組合の組合長、舘美喜子さんもそうだ。

19で箱根にきて、29で独立、40代まで芸者として活躍し、
組合長として7年間トップを務めている。

「私が組合長になった頃、このままじゃ(箱根の芸者文化が)なくなっちゃうって思って、いろいろ新しい取り組みをしたの」

舘さんは、失う前に動いた人だった。

凡人が箱根花柳界から学んだこと#1 『失う前に動く』

箱根芸能組合の若い芸者たちを「きらり妓」と呼ぶのだが、
その愛称は特賞50万円を目玉に全国に公募して決まった。

もともと、関係者のみで開催していた「華のにぎわい」という新年会も、「自分らだけで見てるのはもったいない、何かお客さんに見せれる方法はないか」と舘さんが一般の人も参加できるイベントに変えた。

唄や踊りを披露する「箱根をどり」も当時は春と秋の2回開催し、
人々の目に箱根芸者が触れる恒例行事を増やしていった。

舘さんが組合長になった頃、箱根町が組合に割り当てた予算はわずかで、
初めは全く相手にされず、悔しい思いを重ねながらも少しずつ、
やりたいことを実現していったのだ。
甲斐あって今は、その当時よりは予算を割いてくれているとのこと。

まさか30年以上も箱根で働くことになるとは思ってもなかったそうだが、
彼女は確実に使命に突き動かされて活動されてきたのだと感じる。

「トップだから明るいのか」「明るいからトップになったのか」
という話があがった時に、
「わからないけど、昔から明るかったわよ」と言っていた。

子供のころから知らぬ間にクラスでもリーダー的なことをやる立場にいて、なんとなく、自然に、まとめ役をしてきたらしい。

かっこいいからリーダーシップを発揮しちゃうのか、リーダーシップを発揮しちゃってきたからかっこいいのか。

どちらでもないし、どちらでもあるのだ。

一人のリーダーとして、一人の女性として舘さんはかっこいい。
だからMeet Geishaは舘さんを、箱根芸能組合を応援している。


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